イスラエル軍、ガザの病院急襲 「テロ拠点」人質形跡も

13日公開の動画で、ガザ北部のランティシ病院の地下にハマスが蓄えていたとして武器を示すイスラエル軍のハガリ報道官(イスラエル軍提供、ロイター=共同)

 【エルサレム共同】パレスチナ自治区ガザへ地上侵攻するイスラエル軍のハガリ報道官は13日、特殊部隊がガザ北部のランティシ病院を急襲し、突入したと発表した。イスラム組織ハマスが病院を「テロ拠点としていた証拠を見つけた」と強調し、ハマスに拘束された人質が一時期病院にいた形跡があると主張。国際人道法違反とされる医療機関への攻撃を正当化した。

 ハマスは「軍の主張には根拠がない」と声明で反論。ガザ保健当局によると、燃料の枯渇も影響してガザ北部の全病院が機能停止に陥った。病院で新生児の死亡も伝えられ世界保健機関(WHO)などが強い危機感を表明。バイデン米大統領も13日「病院は守られなければならない」と懸念を示した。

 南部を含めガザ全体で35ある病院のうち25病院が医療活動を休止、南部の残り10病院でも医薬品や燃料、医師が不足する状態が続いている。

 中東の衛星テレビ、アルジャジーラによると、ガザ北部のアルクッズ病院でも13日、銃撃戦が起きた。

13日、パレスチナ自治区ガザの病院に運び込まれる負傷した女の子(ゲッティ=共同)

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