「地域医療充実を」 茨城・水戸市内16校安全サミット 中学生が提言

水戸市内の中学生が提案した「Mito16 中学生安全サミット」=水戸市泉町

12月8日開幕のG7茨城水戸内務・安全担当大臣会合に向け、茨城県水戸市内の中学生が安全をテーマに発表する「Mito16 中学生安全サミット」が12日、同市泉町の水戸市民会館で開かれた。各校の生徒たちは地域医療の充実を図る方策や防災、交流サイト(SNS)の使い方、環境などの改善策などを発表。大人に託す提言書としてまとめ、安全への意識を高めた。

市内の中学校と義務教育学校全16校の代表者が発表した。各校は事故防止やSNSなどを題材に、校内でアンケート調査を実施したり、新聞や現場を調べたりしながら、解決策を探ってきた。

市立内原中は「地域医療の充実を図るには」をテーマに、医師不足や病院の偏在化といった課題を取り上げた。厚生労働省の統計を活用し、水戸市は人口当たりの医師の割合が全国と比べて多い一方、周辺市町で不足する現状を指摘。「水戸市が周辺の医療も担っていく必要がある」とし、大人に医療従事者を確保する制度の充実を提言した。

各校の発表は宣言書と大人へ託す提言書としてまとめられ、生徒から高橋靖市長に手渡された。高橋市長は「市職員や警察に聞くなど研究を重ねた跡があり、この過程で得たものがあるはず。大人としても提案を受け止めて改善を図っていきたい」と述べた。

戦場カメラマンの渡部陽一さんによる講演もあり、ノーベル平和賞受賞者でパキスタン出身のマララ・ユスフザイさんの言葉を紹介。「やりたいことをどんどんやってみよう。今後、世界の街中で会えたら、ぜひ世界情勢を語り合いたい」と呼びかけた。

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