原子力施設通報訓練、11事業所が対応不備 誤送信や記載漏れ 茨城県実施

県内の原子力事業所を対象に行われた通報連絡訓練の結果説明会=県庁

茨城県内17の原子力施設を対象として、県が今年7~9月に実施した抜き打ち通報連絡訓練の結果説明会が13日、県庁で開かれた。放射性物質が周辺環境へ漏えいする恐れがある火災や事故などを想定した訓練に対し、11事業所で関係機関へのファクス送信漏れや誤送信などの対応不備があり、県が改善を求めた。

原子力事業所は、原子炉等規制法と原子力安全協定に基づき、事故や故障の発生時はファクスで国や県、市町村などへ速やかに通報する決まりになっている。

対応不備の内容は、2事業所でファクスの操作ミスや機器更新時の回線未登録による送信不備、11事業所で内容の誤りや記載漏れ、誤送信があった。

このほか、1事業所で現場と災害対策本部とを結ぶ通信が乱れ、中継役を置いて対応する初期対応の不備があった。2事業所は資料準備が間に合わず、予定時刻に会見を始められなかった。別の2事業所は開始時刻を再調整した。事業所の一部で複数の不備が確認されており、不備がなかったのは6事業所。

県原子力安全対策課は「複数年で同じような不備が散見される事業者がある。しっかり訓練を生かしてほしい」としている。

訓練は2000年、東海村で前年に起きたJCO臨界事故を契機に始まった。

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