海外にルーツ持つ子ども27年間支援、非常勤講師を表彰 「けなげな姿に逆に励まされた」

表彰を受ける平田さん(東京都千代田区)

 草の根の優れた教育活動を展開する学校や団体・個人を表彰する第54回「博報賞」の贈呈式が10日、東京都内であり、滋賀県豊郷町の豊郷小の非常勤講師平田輝子さん(63)=彦根市=が「功労賞」を受けた。

 平田さんは小学校教員を経て、外国にルーツを持つ子どもの日本語学習を支援する非常勤講師に。それぞれの母語や個性を大切にしつつ、不慣れな日本での暮らしや学校生活への適応にも目を配り、多文化共生と国際理解を図る取り組みに27年間尽力してきた。

 式典で表彰状を受け取った平田さんは「いろいろな困難を抱えながらも、けなげに我慢強く努力している姿を身近で見ることで、私が逆に励まされていた」と振り返り、「子どもたちが自分に自信を持って輝けるような気持ちを育みたい」と決意を新たにした。博報賞は博報堂教育財団(東京)が主催し、本年度は応募のあった全国82件から27件が選ばれた。

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