7mの櫓に一斉点火 秩父の小学校で「ミニ天狗祭」 6年生12人がたいまつで点火、天突く炎に祈る無病息災

たいまつでテンゴウに点火する市立久那小学校6年の児童=12日、埼玉県秩父市の下久那河原

 埼玉県秩父市久那の下久那河原で12日、「ミニ天狗(てんぐ)祭」が行われた。市立久那小学校(児童数53人)の児童らが「テンゴウ」と呼ばれる三角すいの櫓(やぐら)を組み上げ、一斉に点火。燃え上がる炎を囲み、無病息災を祈った。

 荒川・久那地域ではかつて、荒川に沿う集落ごとに「天狗祭り」や「テンゴウ祭り」と呼ばれる子どもたちの火祭りが行われていたが、危険が伴うことや人手不足などを理由に、伝統は年々衰退。子どもたちが主役の行事を後世に残そうと、同校PTAが1984(昭和59)年に「ミニ天狗祭」という形で復活させた。

 テンゴウ作りは午前9時ごろから実施。竹で高さ約7メートルの骨組みを作り、麦わらで覆った。6年の12人がたいまつでテンゴウに点火すると、炎が一気に駆け上がり、歓声に包まれた。

 6年の岩崎真士さん(12)は「(テンゴウの)てっぺんまで登り、貴重な体験ができた。点火後は、あっという間だった」と笑顔を見せた。

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