「あし」「痛い」音声ボタンで会話する犬 体の不調を訴えてくれたことで病気に気づけたことも

みなさんは、ペットと話すことができたらどんな会話をしてみたいですか?

今回紹介するのはボタンを使って“しゃべる”ことができる犬として、日本で代表的な存在になっているミニチュアシュナウザーのモネちゃん。
モネちゃんは足で踏むと音声が出るボタンで飼い主さんに自分の気持ちを伝えており、現在76個の日本語を理解しています。

Instagramに投稿している音声ボタンで会話をする動画には、毎回多くの反響が寄せられています。
今回は、モネちゃんの飼い主さん(@monet_talking)にお話を伺いました。

驚きと、ワクワク

音声ボタンを設置したのはモネちゃんが生後8ヶ月の時でした。会話ボタンを設置してから1週間後、モネちゃんは「言葉を理解したのかな?」という行動を取ったそうです。

飼い主さんが「お水」のボタンを押すと、モネちゃんが5秒ほど考えているような表情をしました。そして、水がある場所まで歩き水を飲んだではありませんか。

この光景に飼い主さんは「ん?!分かったのかな!」と驚き、先を想像するとワクワクしたそうです。モネちゃんが初めてボタンを押したのはそれから1ヶ月後のこと。

「遊ぼう」のボタンを押したたため、飼い主さんはすぐに遊んであげたようです。

しばらく遊んで疲れた飼い主さん。休んでいると、モネちゃんがまたボタンの場所まで行って「遊ぼう」を押したではありませんか!「もっと遊びたいという気持ちが伝わってきて、涙が滲むくらいジーンときたのを覚えています」と飼い主さん。ペットと意思疎通ができたと考えると興奮してしまいそうです。

「家にいる時、散歩中など、普段から単語を伝えるように話しかけています」と飼い主さん。お子さんが2人いるそうで、モネちゃんに言葉を教えるのは赤ちゃんに言葉を教えるのととても似ていると感じるそうです。

よく使う単語はボタンを設置した時点ですぐに理解するとのこと。

まだよく分かっていない単語は、飼い主さんがボタンを使って話しかけながら教えていくスタイルです。ほとんどの単語は2~3週間ほどで理解してくれるそうなので、これからも語彙力が増えていきそうですね。

気持ちが的確に伝わるのがありがたい

「音声ボタンが素晴らしいと思うところは、愛犬の言いたいことが『なんとなく』ではなく『的確』に伝わることです」と飼い主さん。

「例えば、見つめてきたり、吠えたりしてきた時に『お散歩に行きたいのかな…?』ではなく、ボタンがあればモネちゃんが『公園、行きたい』と伝えてくれます。あとは、痛みがあることを教えてくれるのはとても助かっています。」

ある時、「痛い」を押して知らせてきたモネちゃん。病院で血液検査をした結果、急性膵炎の可能性があるといわれ、しばらく薬を飲ませたこともあったそうです。

皮膚炎のため、足首に薬を塗ってテーピングをしているモネちゃん。痒いことを知らせるため、「足」ボタンを押している様子。(@monet_talkingさんより提供)

他には、「薬がしみる」と教えてくれたことで薬の使用を止めたことや、避妊手術後の痛み止めを飲ませるのを忘れていたときは「痛い」とモネちゃんが知らせてくれたため、慌てて薬を飲ませたことも。また、足をくじいた際には「まだ痛みがある」と教えてくれたのでお散歩を控えるなど、その都度対処できるのでありがたいとのことです。

意思疎通ができれば、体調不良にも早く気付けるのでありがたいですね。

飼い主さんが気づき、テープを取ってお薬を塗りなおした。(@monet_talkingさんより提供)

ボタンを使い始めてよかった

飼い主さんがボタンを使い始めたのは、英語圏の「バニーちゃん」というボタンで有名なワンちゃんのことを知ったことです。「うちのモネも『ごはん』、『お散歩』など簡単な言葉だけでも言えるようになったらいいな」とワクワクしながらボタンを注文したのがきっかけでした。

今では「どうして?」や「プンプン」など、予想以上におしゃべりしてくれるので楽しいと飼い主さん。思い切って始めてみて良かったなとつくづく感じているそうです。

飼い主さんが投稿を始めたのは一年程前。

当初は「すごい!」、「賢い!」など、驚きのコメントが多かったそうです。最近では「偉いねぇ」、「人の子供と同じですね」のように、モネちゃんが言葉を理解しているという前提でコメントをくれる方が多いとか。
「犬にも感情があるということが皆さんに浸透してきているのが分かり、大変嬉しく思っています」と飼い主さん。

中には、ダイレクトメッセージで「ボタンはありませんが、愛犬に話しかけるようになってから吠えが減りました」、「話しかけるようにしたら、よく側に来てくれるようになりました。今までの接し方を反省しています」など嬉しい報告を送ってくれる方もたくさんいるそうです。

「ベランダ」ボタンを押して、飼い主さんにベランダに連れていってほしいと頼むモネちゃん(@monet_talkingさんより提供)

「動物も人間と同じように心があるという認識が一般的となれば、日々の接し方やトレーニング法なども、双方向からのコミュニケーションを主体とした方法に変わっていくと思います」と飼い主さん。

このボタンが浸透し、飼い主とペットで意思疎通できることが当たり前になれば、良好な関係を築けそうですね。

ほ・とせなNEWS編集部

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