大谷タイプ希少、FA市場で人気 DH専属の強打者減る

8月、44号ホームランを放つエンゼルスの大谷翔平選手=アナハイム(ゲッティ=共同)

 米大リーグでDHを専門とする強打者が減り、補強戦略に影響を及ぼしている。今季44本塁打で投手でもプレーする大谷翔平やドジャースで33本塁打を放ったマルティネスは希少性が高く、今オフのFA市場で人気を集める一方、DHを複数の選手で回して負担を軽減させるチームも目立っている。

 ア・リーグで採用されてきたDH制は昨季からナ・リーグでも導入。打撃専門職で攻撃の柱として期待されるが、AP通信によると、今季DHで110試合以上に出た選手は大谷らわずか3人だけ。30球団のうち13球団のDHの成績は平均的な選手の水準以下だった。

 ダイヤモンドバックスはDHの成績が悪かったチームの一つで、ヘーゼン・ゼネラルマネジャーは「数値で測れない使い方もある」と話した。今季10人をDHで起用したジャイアンツのザイディ編成本部長は「選手をフレッシュで健康に保てる」と指摘する一方で、「DHの強打者がいれば選手をローテーションできなくなるが、その代償は喜んで支払う」と大谷獲得を視野に入れた言葉も口にした。

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