京都新聞の外部執筆者の寄稿コラム5本、日本経済新聞などから盗用 記事取り消し

京都新聞ビル(中京区)

 京都新聞社は14日、同紙夕刊に掲載した外部執筆者の寄稿コラム5本に、日本経済新聞の複数の記事と京都新聞の記事からの盗用があったと発表した。執筆者は無断で引き写したことを認めており、京都新聞社はこれらのコラムを取り消し、関係者に謝罪した。

 2020年10月~23年10月の夕刊「現代のことば」欄に掲載した大阪経済大教授の相原正道氏(スポーツマネジメント)のコラム。5本のうち4本は日本経済新聞の記事計6本から出典を示さず引き写していた。いずれも東京オリンピック・パラリンピックの課題などを指摘したコラムで、多いものでコラム本文の4割以上が無断使用した文章で構成されていた。

 別の1本は高校生のスポーツ留学がテーマで、京都新聞に掲載された記事の一部や、記事中にある同志社大の川井圭司教授の談話を無断使用していた。

 10月下旬、本紙記者の指摘で京都新聞からの無断使用が判明し、その後、相原氏の25本の寄稿コラムについて調査した結果、日本経済新聞の記事からの無断使用が見つかった。

 相原氏は京都新聞社の聞き取りに対し、「研究論文と違い、新聞記事での引用の認識が甘かった。そう(盗用と)思われても仕方がない。たいへん申し訳ない」と謝罪した。

 京都新聞社は日本経済新聞社と同志社大の川井教授に経緯を説明して謝罪。コラムを取り消し、京都新聞ウェブサイトから削除した。

 京都新聞社の目黒重幸編集局長は「盗用はあってはならず、日本経済新聞社や同志社大学の川井教授、読者の皆さまに深くおわびいたします。社内のチェック体制を強化し、再発防止に努めます」としている。

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