「世界遺産保護」名目で強制退去 カンボジア、人権団体が指摘

カンボジアの世界遺産アンコールワット(ロイター=共同)

 【バンコク共同】国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは14日、カンボジアの世界遺産アンコール遺跡群周辺で、当局が遺産保護名目で地元住民を強制退去させていると発表した。約1万世帯に影響があると指摘。世界遺産を登録・保護する国連教育科学文化機関(ユネスコ)や、同遺跡の国際調整委員会を運営する日本とフランスに対応を要請した。

 2022年後半から退去要請が始まり、当局が世界遺産登録の維持のために「自主的な移住」が必要として事前通知もせず、数世代にわたって居住する家族を脅迫。家や水道、衛生設備がない地域に移動させている。補償はわずかで、土地を追われた農民は職を失った。

© 一般社団法人共同通信社