宝塚「いじめ確認できず」 理事長謝罪「命守れなかった」

記者会見する宝塚歌劇団の木場健之理事長(中央)ら=14日午後、兵庫県宝塚市

 宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)の俳優の女性(25)が9月に急死した問題で歌劇団は14日、宝塚市で記者会見を開き、外部の弁護士らのチームによる調査報告書の概要を公表。木場健之理事長は「安全配慮義務を十分に果たせていなかった」と述べ、女性個人へのいじめやハラスメントは「確認できなかった」とした。

 木場理事長は「大切なご家族の命を守ることができなかった」と遺族に謝罪し、12月1日付で引責辞任する意向を表明。報告書は、女性が新人公演のまとめ役を担い、上級生からの指導・叱責を受けるなどした結果、急死直前に「精神障害を発病させる恐れのある強い心理的負荷」がかかっていた可能性があると結論付けた。

 原因は過重労働とパワハラだとして、歌劇団と運営する阪急電鉄に謝罪と補償を要求している遺族の代理人弁護士も14日会見し、ハラスメントの扱いについて「劇団と上級生の責任を否定する方向に誘導している」と歌劇団側を批判、事実関係の再検証を求めた。 調査では、女性が所属していた宙組の俳優62人と理事長ら役職員にヒアリングを実施した。

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