【基礎知識】ボートレースで使用するモーターとボートはレース場に借りる?勝率に大きく関わるモーター抽選とは?『究極のボートレースガイドブック』

ボートレースの基礎知識

まず初めに〝ボートレース〟とはいったいどんなものなのか、初心者のあなたにもわかりやすく説明します。知れば知るほど、水上の格闘技・ボートレースの底知れない魅力へ引き込まれていくことでしょう。これであなたもレッツ!ボートレース!

モーターとボートはレース場に借りていて、それぞれ微妙に性能が違う!?

ボートレースで使用するモーターとボートは一体ではなく、別々に存在します。ボートにモーターを取り付けるという感覚です。しかも、モーターとボートは各レース場のものでレーサー個人の物ではないのです。レースが開催される1日前に選手はレース場に入ります。これを前検日というのですが、そのときに選手はまず抽選をしてモーターとボートを借ります。

この抽選がとても重要!昔ながらの商店街とかで見かけるガラガラの抽選あるでしょ? あれです、まさしくあれです!そこでモーター何番!ボート何番!というのを引いて、選手はその番号のモーターとボートを借りるわけです。ここで「なにがそんなに大事なの? どれも同じものを借りるのでしょ?」と疑問に思ったあなた!実は同じように見えるモーターとボートですが、一つ一つ成績や性能が微妙に違うのです。

出走表には、選手の勝率と同じようにモーターとボートの勝率が示されています。出走表の見方は2章で説明しますので、ここではモーターの性能の差をわかりやすく説明しますね。友達と一緒に新車で原付バイクなり車なり全く一緒のものを買ったとします。そして隣同士で走っているとしましょう。信号が変わって一緒にスタートしても、なんかアクセルを踏んでも進みが隣より悪いとか、まったく同じ車種の原付バイクなのに、途中でスピードに差が出てくるとかあるのです。微妙な差ですけどね。

バイクも車も乗ったことない!というあなたは電動アシスト付き自転車でもいいです!必死に坂を漕いでいるのに、同じのに乗ってる人より登りがちょっと悪いとかありませんか?このように、全く同じように作っても個々の差が微妙に出たりします。ましてや、各レース場のモーターは60~70機ほど一気に導入されるので、それだけの数があると、「性能が良い当たりモーター」と「性能の落ちるハズレモーター」の差が出ます。 そして、毎回レースで使われて、その着順の良し悪しでモーターにも勝率の差が付くというわけです。

ちなみに勝率がいちばんいいモーターを『エースモーター』、最も成績の悪いモーターを『ワーストモーター』なんて呼びます。選手はこの抽選で与えられたモーターを決まった範囲で整備することが可能です!もちろん整備が得意なレーサーもいれば不得意なレーサーもいます。大変な整備をしても性能がアップする保証はありません。

それなら、なるべく素性が良いモーターを引きたい。なので、レーサーもモーター抽選は気合い入れまくりなのです! 少しでも良いモーターを使いたいし、なるべく悪いモーターは引きたくないですから! なので、ガラガラを回す前にお守りを握ったり、いつも回す回数を決めていたりする選手もいます。直近の引きが悪いのでいつもより多く回したりする選手もいますね。レーサーも試行錯誤!実はこの抽選のシーンもボートキャスト(https://boatcast.jp/index.html)というサイトで見られます。ぜひご覧ください!

そしてボート自体にも成績の良し悪しがあって、もちろん勝率が数字で示されます。ボートレースを楽しんでいる人の多くが「ボートの勝率」を軽視しがちなのですが、私はめちゃくちゃ大事だと思っています。なぜかというと、ボートはほぼ木で出来ているため、モーターは選手が手を加えて整備できますが、ボートは何も手を加えられないのです。レースで壊れたりした場合はボート交換になったりしますが、基本的に選手が性能向上のために手を加えることが何もできないのがボート。

ボートもモーターと同様に年に一回あるモーターが新しくなるとき、同じ時期にボートも導入されます。何ヶ月かレースを重ねていくと、木で作られたこのボートにも勝率差がついてくるものなのです。モーターほどの大きな差はないのですが、なかにはバツグンに勝率の良いボートがある場合もあります。そのボートは要チェック! モーターの勝率がちょっと悪くても、ボートの性能の良さがカバーしてくれます。なので、出走表を見て抜けた勝率のボートがあったら絶対にチェックしてください!!

ただ、なぜボートに勝率差が出るのか、つまりどのような性能の差があるのかの明確な理由は分かりません。なので、レーサーもコメントで「ボートが良いのでしょうね?」とアバウトにしかコメントしません。逆に勝率の良いモーターを引いたのに成績が悪いレーサーが「ボートが良くないのでしょうね」とコメントするときがあります。ボートの良し悪しはレーサーにも理由がわからない不思議なものなのですね。

そして、もう一段階レベルアップ! ボートはレース中に接触とかがあって穴が空いたり破損した場合は整備士さんが修復しますが、勝率の良いボートがそうなった場合、その修復後のボートの成績をさらにチェックするのもオススメです。いくら整備士さんがしっかりと修復しても、完全に元の状態までには戻らない可能性が高いと個人的には思います。なので、修復前の勝率をそのまま信頼してはいけません。それぐらいボートは木製なので繊細だと思ってください。

ボートレースの用語

『ボートキャスト』

ボートレースの動画サイトで「ボートキャスト」というサイトがあります。こちらはYouTubeとは違う動画サイトで、リアルタイムでのレースライブはもちろんですが、その日のボートレースの最新ニュースも配信。さらに過去のボートレースの様々な番組も観られます。もちろん私の出演番組も多くあります!レーサーを覚えるならボートキャストで推しレーサーを探すのもアリ!無料ですし、本当にオススメのサイトです!

【出典】『究極のボートレースガイドブック』著:西野精治

【書誌情報】
『究極のボートレースガイドブック』
著:西野精治

近年、コロナ禍の影響もあり公営ギャンブル市場は毎年のように売り上げを伸ばしています。スマートフォンの普及で手軽に参加できることもあり、今やバブル期の売り上げを上回る状況となっています。この公営競技の中でも最もファンや売り上げを伸ばしているのがボートレース(競艇)。公営ギャンブルと言えば中央競馬(JRA)を思い浮かべる人が多いはずです。たしかに昔から競馬ファンは多く、馬券の売り上げが全公営競技の中でダントツに大きかったのですが昨今は状況が変わりつつあります。ボートレースの人気は急上昇、舟券の売り上げは2兆4142億円(2022年度)と約3兆円の中央競馬に肩を並べるまでになっていて、新規のボートレースファンが増加していることを示しています。とはいえ、初心者にはどうやってボートレースを予想していいのかが分からないのも事実。最初は誕生日とか好きな番号、好きな色、カッコいい選手などの理由で舟券を買うのもありですが、ずっとそのレベルではボートレースを本当に楽しめているとは言えないでしょう。本書はその域を脱して「選手の実力」「有利なコース」「レース展開」「モーターやボートの性能の見極め」などを知ることによって、「自分でレースの予想、推理」ができるようになることを伝授する1冊です。著者の永島知洋氏は「ボートレース楽しむプロ」としてほぼ毎日のようにテレビ番組やYouTubeのレース配信番組でボートレースの面白さ、楽しみ方を身をもって示している人です。小難しいことは抜きに「興味はあるけど専門知識ゼロの人が、とりあえず舟券を予想できてレースを楽しめるようになる」をコンセプトに書き下ろした1冊です。

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