愛犬を落ち込ませてしまう飼い主の5つの行動と正しいケア 「無意識にやってしまってるかも…」

犬を落ち込ませてしまうのはどういうとき?

犬の感情と人の感情が全く同じだということはないでしょうが、それでも犬の表情や行動を見ていると、私達人間と良く似た感情を持っているように見えます。ちょっとしたことでも喜んで興奮したり、不安そうにしたり怒ったりと、非常に豊かな感情を見せてくれます。

時にはがっかりして落ち込んだように見えることもあります。こういった愛犬の感情は、そのほとんどが飼い主の行動に起因しているといえます。

なぜなら、愛犬にとっての飼い主は母親同然であり、かつ世界のすべてといっても過言ではない存在だからです。

そんな愛犬にとって、飼い主からの愛情はとても大切です。飼い主から愛されていると実感できることで自信を持ち、自分自身を肯定できるからです。逆に言うと、飼い主から愛されていないと感じてしまうことで、犬はとても落ち込んでしまうのです。

愛犬を落ち込ませてしまう飼い主の行動

前述したように、飼い主の何気ない行動で犬は落ち込んでいまうことがあります。

そこで今回は、愛犬を落ち込ませてしまう飼い主の何気ない行動をご紹介します。もしも「無意識にやってしまっているかも」と思われたなら、ぜひ愛犬との接し方を見直してみてください。

1.愛犬からの誘いやアピールを無視する

いつでも自分のやりたいことができるような、自由に暮らせる犬はほとんどいないでしょう。ご飯もお散歩も遊びも、飼い主さんがいなければ愛犬の自由にはなりません。そのため、愛犬は常に飼い主さんに遊んでもらおうと、飼い主さんを遊びに誘ったりかまってほしいとアピールをしたりします。

これらの愛犬からのサインに気付かずにいると、愛犬は無視されたと思い、がっかりして落ち込んでしまいます。アピールに応えられない理由が「忙しくてかまってあげる時間がない」という場合も同様です。

2.愛犬以外に気を取られる

飼い主さんの関心を、常に愛犬に向け続けることはできません。持ち帰った仕事に専念している場合もあれば、興味深い書籍やテレビなどに気を取られることもあるでしょう。

場合によっては、お子さんが生まれたり新しいペットを迎え入れたりして、新しい家族にかかりきりになっているかもしれません。

このように、飼い主さんの関心が愛犬に向けられない時間が続くことで、愛犬はがっかりして落ち込んでしまいます。

3.期待を裏切ってしまう

愛犬は、常に飼い主さんの行動を観察し、行動パターンを把握しています。そして「おやつをもらえる」とか「お散歩に行ける」などと期待します。ところが期待通りに事が進まないと、犬はがっかりして落ち込んでしまいます。

やむを得ない場合もあるでしょうが、病院や歯磨きなどの愛犬の嫌がることをしなければならない時に、喜ぶことをすると見せかける作戦は、あまりおすすめできません。

なぜならば、その行動は愛犬を落ち込ませるだけではなく、期待通りにしてもらえず裏切られたという気分にさせてしまい、飼い主への信頼も失ってしまうからです。

4.あまり褒めずに叱ってばかりいる

飼い主として愛犬をしつけようと必死なのかもしれませんが、むやみに愛犬を叱ることはあまりおすすめできません。

愛犬は、なぜ飼い主さんが怒っているのかを理解できず、意味も分からずに恐怖に怯えていることが多いからです。

そして叱ってばかりいる飼い主を怖がり、落ち込んでしまいます。愛犬のしつけは、できないことを叱るのではなく、できたことを褒める方法を多用するようにしましょう。

5.苦手なことを無理強いする

いくら必要なことでも、愛犬が苦手だと感じていることを無理強いしてしまうと、犬はがっかりして落ち込んでしまいます。

「君のためだから我慢して」と無理強いするのではなく、「我慢すると褒められたりおやつがもらえて良いことがある」と思わせることで、苦手なことを楽しいこと、嬉しいことに変えてあげることが大切です。

落ち込ませてしまった愛犬へのケア

落ち込ませてしまった愛犬に対して、当然それなりのケアが必要になります。では、そのケアは具体的にどのようにすべきなのでしょうか。

愛犬への愛情が変わらないことを意識して伝える

ご自身の行動に気をつけていても、忙しかったり緊急事態だったり想定外の出来事だったりと、さまざまな理由で愛犬を落ち込ませてしまうことがあるでしょう。それは仕方のないことです。

もしも愛犬を落ち込ませてしまったら、飼い主さんの愛犬への愛情が変わらないということを、意識して伝えるようにしましょう。

特にお子さんの誕生や新しいペットを迎えたなどの、家族が増えた場合は注意が必要です。愛犬のことを優先的に扱い、新しい家族が増えても愛犬への愛情はずっと変わらないことを、しっかりと伝えることが大切です。

またどうしても忙しくてかまってあげられない場合は、一段落した段階で愛犬と遊んだりスキンシップを図る時間を作り、しっかりとアフターフォローをしましょう。

叱るよりも褒めることを優先する

冒頭から述べているように、飼い主の感情は愛犬に伝わります。

たとえば愛犬は叱られることで恐怖を感じますが、飼い主さんのイライラがうつって、愛犬もイライラしたり気分が落ち込んだりするようにもなってしまいます。

愛犬のしつけを成功させる秘訣は叱るよりも褒めることですが、それだけではありません。意識的に愛犬を褒めることで、飼い主自身もプラスの感情になり、それが結果的に愛犬にも良い影響を与えるのです。

それでもつい愛犬を叱ってしまうという場合は、日頃から意識して愛犬を褒めるように心がけましょう。飼い主さんが明るく前向きな気持になることで、愛犬も落ち込まずに明るく前向きな気持になることでしょう。

まとめ

犬は人と一緒に暮らすことを選択し、安全で安心できる暮らしを手に入れました。その代償として自由を失い、何をするにも飼い主を頼らなければならなくなりました。

そのため、犬は飼い主の行動で一喜一憂するようになりました。つまり、愛犬ががっかりして落ち込んでいる場合、そのほとんどが飼い主の行動に起因しています。

飼い主が意識的に行動を変えることで、愛犬を落ち込ませてしまうことが減り、それを見ている飼い主も明るい気持ちで過ごせるようになる、という良い循環を生み出していけるように心掛けたいですね。

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