宮﨑あおい「“あおい”って名札をつけて…」撮影現場のケータリングに感動してバイト志願!?『クレイジークルーズ』配信記念イベント

映画『怪物』で第76回カンヌ国際映画祭にて日本映画では史上2度目となる脚本賞を受賞した坂元裕二が脚本を手がけ、吉沢亮と宮﨑あおいがW主演するNetflix映画『クレイジークルーズ』が、11月16日より世界独占配信される。それに先立ち、11月13日に、約7000人が乗船可能な世界最大級のイタリア国籍の超豪華クルーズ船「MSCベリッシマ号」にて配信記念イベントが行われ、吉沢亮、宮﨑あおい、吉田羊、安田顕、瀧悠輔監督が登壇した。

「MSCベリッシマ号」は、コロナ禍で実際の撮影は止む無く断念したものの、実寸大で制作されたセットやVFX・CG技術によって再現され、本編の舞台にもなっている。そんな豪華クルーズ船に今回初めて集結したキャスト&スタッフ。吉沢は、「本来撮影で来るはずだったここに、1年半越しに乗船できたことをすごく嬉しく思います」、宮﨑も「ここに来る途中の車から、中々船が見えてこないと思ったら、ずっとビルだと思っていた建物が船で、その想像の何十倍の大きさに驚いております。本日やっと乗船できて、ずっとワクワクと浮足立っております」と今回念願の「MSCベリッシマ号」に乗船できたことを喜んでいた。

MCから脚本を読んだ時の印象、作品に対する印象について聞かれた吉沢は、「坂元さんならではのユーモア溢れる中にも人間の本質が見え隠れするすごく面白い脚本だと思いましたし、セリフもすごく魅力的で、他の役のセリフまで言ってみたいと思いました。完成した作品を観て、船で撮影できなかったのですが、本当にCGやセットの力で、“乗ってるじゃん!”ってくらいすごい絵になっていて、違和感を感じさせない素晴らしい出来でした」、宮﨑も「本当に自分のセリフもたくさん素敵なセリフがあったけど、菊地さんの藍那のセリフを筆頭に、個性豊かなキャラクターばかりだったので、現場に入るのが楽しみでした。映画の中のキャストもみんなドレスアップしているのと、エキストラの方一人ひとりまで衣装がきちんとあって、映っている世界観に嘘がないです。実際の船で撮れたら良かったという気持ちはありますが、セットだからこそ撮れた画もありますし、なによりも今日乗れたので良かったです」と笑顔で語った。

そして今回、吉田は新人船長役、安田はゴッドファーザーの息子と、面白い役どころを演じているが、それぞれの役について吉田は、「頭脳明晰で帰国子女という、非常に華麗な経歴の持ち主で、新人船長として密着取材を浮かれ気味に受けている部分もあるのですが、彼女にとってのファーストプライオリティは、無事に航海を終わらせること。そのためには少しの難には目を瞑るなど、非常に真面目な船長で、そういう部分はおちゃめに写ったら良いな、と演じさせていただきました。そして今回、船長ながら本日初乗船で、こんなに大きな船だったのかと、初めて責任感を感じさせていただくくらい、圧倒されました(笑)」。安田も「医療界のゴッドファーザーの息子で、すごく物語のキーを握っています。セリフも現場で色々考えて、その場のノリでやっちゃったことも多かったです。ひとつひとつのセクションに時間をかけてくださっていた現場で居心地が良かったです。完成した作品も観て、ここまでできるんだったら乗らなくてよかったよねって思いました(笑)。今回乗れなかったことは残念なことだったのですが、逆にプラスに転じているんじゃないかと思いました。時間をかけてきちんと撮れば、メイドインジャパンの作品というのは十分通用するんじゃないかと思いました」と絶賛。すると宮﨑も「ケータリングも本当に豪華で、心のゆとりに繋がるというか、あのケータリングは経験したことのないものでした。自分の撮影がなくなった日にクラフトサービスの女性に弟子入りして、“あおい”って名札をつけて、一緒に手伝って働きました。それが一番幸せな日でした」とまさかの思い出も語った。さらに監督も「基本的には身勝手な人ばかり出てくるのですが、そんな方たちをあんまり嫌な風には捉えていなくて、いかにキュートに撮れるかというのが、ひとつのテーマだったので、衣装合わせの時にみんな我儘でいてくださいっていうのはお願いしていたので、それこそ安田さんがその場のノリでやっていただけるのも非常に楽しく、すごく良いことだなと思っていました」と思い返していた。

続いてMCから豪華客船ならではの様々なシーンが多い本作で印象に残っているシーンについて聞かれた吉沢は「宮﨑さんと2人で変装するシーンで、菊地さんのお芝居が面白すぎて、現場でも良かったのですが、映像で見ても最高で、あそこは本当に印象に残っています!」、すると宮﨑も「私も菊地さんの演じた藍那が大好きで、好きすぎてよくモノマネしていました(笑)。私はプールのシーンで吉沢さんが落ちてしまい、私が助けるのかと思ったら、一緒に飛び込んじゃうっていうのが、青春映画のようなワクワクするシーンで気に入っています」、吉田は「雨が多くて雨天で飛ぶ日も多かったのですが、私のクランクアップの日も土砂降りで、甲板で撮影する予定が、屋根の下に設定を変えて撮りきったシーンには、チーム力をすごく感じました」、安田は「吉沢さんと宮﨑さんの影絵のキスシーンです。映画でお客さんがいる限り一番ときめくのはキスシーンだと思うのですが、本当にこのシーンがお洒落だし、キュートだし、ドラマチックで良かったです」と思い思いのシーンについて語った。

さらに作品にかけて、旅行中のトラブルについて聞かれた吉沢は「北海道のイベントに行くために朝はやい飛行機だったのですが盛大に寝坊しまして、予定していた飛行機に乗れず、あまりにも時間がなさすぎて、タクシーの中でメイクも着替えも全て済ませ、登壇の5分前に到着したのですが、いつもの1.3倍くらい盛れていました(笑)」。宮﨑は「映画祭へ行った際の帰る便で、先に1人搭乗口で待っていたら、搭乗予定の30分前なのにゲートを締めますと言われてしまい、スタッフの方たちがまだだったので、必死にプリーズとサンキューだけでお願いして、ギリギリ皆乗れたのですが、二言しか言っていないのに想いは通じるんだなと思いました」。吉田は「フランスでモン・サン・ミッシェルに1泊して、翌朝一番の飛行機でニースに行く予定がタクシーを予約し忘れてしまい、日本のように流しのタクシーは1台もいなくて、飛行機に乗れずにもう1回モン・サン・ミッシェルを見て帰りました」。安田は「23年ぐらい前に、ボディビルダーのケン・ヤスダさんという方がロサンゼルスにいて、その人に会うという企画があって行ったのですが、ディレクターが地図を忘れて、ジムの場所がわからない。とりあえずタクシーに乗るけど乗っても乗っても見つからない。そして7~8時間乗って、現地のTV局の方が起きて連絡がつき、やっと見つかりました(笑)」、続いて「あと、ブラジルに行った帰りにアマゾン川を7~8人規模の船に乗っていたら、雨が降ってきてしまって、すごい波で満天の星空にCGみたいな雷が鳴っていて、転覆しそうだというのですが、転覆したらピラニア、船を止めたらワニがいる、というのでもうみんな無言で走り続けて、無事に辿りついた時は熱く抱擁しました!」とそれぞれ衝撃のエピソードを披露した。

最後に吉沢は、「本当に素敵な面白い作品ができたと思っております。たくさんの方に観ていただきたいですし、この作品を面白いと思っていただけたら、SNSにあげたり、知り合いに勧めていただいたり、一緒にこの作品を盛り上げていただけたら嬉しいです」。宮﨑は、「コメディの部分も面白いですが、坂元さんが紡がれた言葉の中に深くて素敵なセリフもたくさんありますので、是非隅々まで楽しんで観ていただけたらと思います」。吉田は「衣装やセットなど含め、物語の仕掛け的にも細部までものすごいこだわりが詰まっていますので、何度観ても楽しんでいただけると思います。繰り返しご覧いただいて、お友達にも勧めていただけたらと思います」。安田は「身勝手や我儘な人がいっぱい出てくるのですが、みんな滑稽かつ可愛らしいです。主演の吉沢さんが演じたバトラーの役が登場人物の中で一番良い人で、そういう人に気を使って良い人だね、と言われる人物がいかに素晴らしいことなのか、この作品に気づかせてもらえました」。監督は「とても楽しい作品に仕上がっていると思います。皆さん日常でつまらないことあると思うのですが、そんな日に夜2時間だけ現実逃避していただけたらと思います」とそれぞれの言葉で語り、世界最大級のイタリア国籍の超豪華クルーズ船「MSCベリッシマ号」で行われたイベントは幕を閉じた。

Netflix映画『クレイジークルーズ』
2023年11月16日(木)よりNetflixにて世界独占配信
監督:瀧悠輔
脚本:坂元裕二
出演:吉沢亮 宮﨑あおい 吉田羊 菊地凛子 永山絢斗 泉澤祐希 蒔田彩珠 岡山天音 松井愛莉 近藤芳正 宮崎吐夢 岡部たかし 潤浩 菜葉菜 大貝瑠美華 眞島秀和 林田岬優 光石研 長谷川初範 高岡早紀 安田顕

【ストーリー】 豪華クルーズ船でバトラーとして働く冲方優(吉沢亮)は、乗客の理不尽なクレームに土下座も厭わず対応するその「プライドのなさ」を、新人船長・矢淵初美(吉田羊)から評価されている。横浜からの出航直前、切羽詰まった様子でクルーズ船に乗り込んできた盤若千弦(宮﨑あおい)。盤若は冲方に、お互いの恋人が密会していることを告げる。42日間に及ぶエーゲ海ツアーに出航したクルーズ船・MSCべリッシマのデッキで、冲方と盤石は自分たちの不幸な境遇を嘆き合う。そんな矢先、2人はクルーズ船のプールで殺人事件を目撃する。交際中の相手から「なかったこと」にされてしまった冲方と盤若の二人は、目の前で起こった事件を「なかったこと」にさせないため、独自に捜査を始める。

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