【MONET Technologies】医療MaaSでも「地元密着の医師・薬剤師の存在重要に」

【2023.11.14配信】ソフトバンクやトヨタ自動車などが出資しモビリティサービスを展開しているMONET TechnologiesのMaaS事業部の松井拓己氏は11月14日、日本ヘルスケア協会の定例記者会見で講演した。モバイルクリニック車両の巡回ではオンライン服薬指導の実施件数も多いという。

モバイルクリニック車両の巡回でオンライン服薬指導の実施件数が多いのは、熊本県八代市などという。

八代市では、地元の薬局薬剤師がオンライン服薬指導にも活用。車両でオンライン服薬指導を行った上で、医薬品を渡す形などがあるという。

へき地などのオンライン診療では服薬指導が重視されず医薬品は配送されるのみといった受け止めも少なくない中で、オンライン服薬指導の実施の意義についてMONET TechnologiesのMaaS事業部の松井拓己氏は、「オンライン診療もそうだが、オンライン服薬指導においても、患者さんの背景をよく知った親しみのある地元の医師・薬剤師が行うことの意味が大きい」と指摘した。実施はオンラインのこともあっても、地元の薬剤師だから気づけることがあり、地域の方から親しみを持って相談されていることがあるとの実感を話した。「何かあった時には駆け付けられるメリットも地元の薬剤師さんにはある」とも語り、ケースに応じて対面も組み合わせる可能性があることをにじませた。

MONET Technologiesでは、「全てオンライン、もしくは全てリアルで、ということでなく医療従事者の働き方改革にも合わせて対応をいただけることを目指している」と話した。

MONET Technologiesでは遠隔医療機器の搭載しやすい車両を開発するほか、特に保有するテクノロジーは「配車システム」だという。例えば複数の医療機関・施設でオンラインで実施する際にも、予約情報だけを入力すれば運行の予定が自動で組まれるようになっているという。遠隔機器としては、遠隔聴診器や遠隔エコーの機器などを搭載しているという。
松井氏は、自動運転技術の開発・普及が進められる中でMONET Technologiesとしては、「将来的に自動運転の車が増えていっても、中身の伴っていない、サービスの入っていない事例が増える可能性があるのではないかと思っている。自動運転の中身、サービスをつくっていきたい」と展望を述べた。

今後は状態に応じて、モバイルクリニックを“呼ぶ”ことのできるサービスなども検討中という。

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