宝塚俳優急死、上級生のいじめやパワハラ否定 歌劇団「指導が相当性欠くと断言できない」

劇団員の死亡を受け、謝罪する宝塚歌劇団の木場健之理事長(中央)、村上浩爾専務理事(右)、井塲睦之理事・制作部長(左)=14日午後、宝塚市栄町1、宝塚ホテル

 宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)の宙組に所属する俳優の女性(当時25歳)が急死した問題で、宝塚歌劇団は14日、上級生からのいじめについて、「指導の態様や手段が相当性を欠くものとは断言できない」とし、いじめやハラスメントがあったかについても否定した。

 記者会見で井塲睦之理事は上級生からの指導について、外部弁護士を交えた調査報告書が「一定程度厳しいものとなったこともやむを得ない」と判断したとし、「指導の態様や手段が相当性を欠くものとは断言できない」と説明した。

 また、LINE(ライン)でのいじめやハラスメントについても「確認できなかった」と話した。一方で、「過密なスケジュールで追い詰められた状況で、指導が必要なものであったとはいえ、時間的に近接、重複して起きたことで心理的負荷になった」と説明した。

 2021年8月に女性が上級生からヘアアイロンを額に押し当てられてやけどを負ったことについても、やけどをした事実は認めたが、故意だったかは「客観的な証拠がなく、どちらが事実であるか判断することは困難」とした。

© 株式会社神戸新聞社