今季の“インフル流行”は長引く予想…医療機関で薬不足の声も 「早めのワクチン接種を!」静岡県が注意呼びかけ

厳しい冷え込みとなる中、注意が必要なのがインフルエンザへの感染です。2023年は冬を前に早くも流行していますが、静岡県の担当者は「流行の期間が長引く」として注意を呼びかけています。

例年より早い流行となった季節性インフルエンザ。県は10月、4シーズンぶりにインフルエンザの感染状況が「注意報レベル」になったと発表。2006年の統計開始以来、最も早く、10月に「注意報」が出るのは“異例”の状況となっています。

県によりますと、10月30日から11月5日に医療機関が報告した新たな感染者は、一つの医療機関あたり23.30人で、前の週と比べ、1.03倍増加しました。

この1週間で、医療機関から報告された感染者数をもとに県内の感染者数を推計すると、約2万3000人で、1日あたり約3300人です。

県西部では、一つの医療機関あたり32.19人で、10月中旬から感染者数が「警報レベル」となる30人を超えている状況です。

県の担当者は「流行の期間が長引く」として、警戒を強めています。

(県 感染症管理センター 後藤幹生 センター長)

「インフルエンザにかかってきてない人がたまっていた、県内で約100万人」「寒くなり暖房を入れて窓を閉めるようになると、今度は職場や家庭で広がる可能性があるので、ゆっくりまた増えてくると思う」「お正月明けにも少し大きなピークが来る」

また、県は14日、インフルエンザの感染者数の増加により、高校や中学校、幼稚園など合わせて35施設が学級閉鎖になったと発表。今シーズン学級閉鎖になった学校や幼稚園などは570施設に上ります。

早くから感染が広がっている理由について県の担当者は、コロナ禍でマスクを着用する生活が続き、インフルエンザへの抗体が弱っていることをあげ「できる限りワクチンを接種してほしい」と呼び掛けています。

(県 感染症管理センター 後藤幹生 センター長)

「インフルエンザワクチンは絶対にかからないという効果はないが、今から打てば免疫がついてくる段階で11月12月ころの増えていく時季に対抗できるのでお願いしたい」

(スタジオ解説)

例年より早い流行ということで、心配されているのが、「薬不足」です。

後藤センター長によりますと、県内の医療機関からも処方する薬が不足しているという声が上がっているそうですが、そこで推奨しているのが「自宅療養の準備」です。コロナの時と同じように、症状が軽く、健康な人、若い人であれば、自宅での対応も可能だといいます。

そこで、自宅療養のため準備しておいて欲しいものがこちら。インフルエンザは熱で消耗する病気ですので…市販の解熱剤 、頭や身体を冷やすもの(枕、氷のうなど) 、水分補給のためのスポーツ飲料 、おかゆなど喉ごしのいいレトルト食品…です。

ワクチンを打っていない場合、4、5日は熱が続くことがありますので、5日分の備蓄をしておいて欲しいということです。

Q加藤さんのところではインフルエンザの患者さんは増加していますか?薬は足りていますか?

(コメンテーター・榛原総合病院 加藤 寛幸 医師)

「日々診療している印象としては、高止まりというところで、新しい患者は出てくるけれども、どんどん増えているという感じではないかなと。ただこれから気温が下がっていく中で、年末年始に向けて、さらに感染が拡大していくという可能性は十分考えられますので、注意が必要だと思います」

Qこれだけ流行が早かったということはどういう背景なのでしょうか?

(コメンテーター・榛原総合病院 加藤 寛幸 医師)

「やはりコロナが流行していたために、ほかのウイルスが鳴りを潜めていた、そうした中で社会的な免疫が下がっているので、インフルエンザに限らず様々なウイルス感染というのがことしは非常に多いというふうに考えています」

Qそして、薬不足が心配ですね

(コメンテーター・榛原総合病院 加藤 寛幸 医師)

「現状、私が診療している中では、薬が不足しているものもありますが、代用できているものもありますので、すぐに命に係わる状況ではないと思います。そういった中では、やはり、“薬が不足している”からといって慌てるのではなくて、できること、例えばインフルエンザワクチンであったり、手洗い、マスク、換気をしていただくような形で予防できるところから続けていただきたいと思います」

Q落ち着いた対応をすることが大切なんですね

(コメンテーター・榛原総合病院 加藤 寛幸 医師)

「そうですね、はい」

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