新幹線から見える「名古屋駅前」が大きく変わる!リニア開業を見据えた“名駅西” 仮想空間では雲をイメージした屋根も

開業が期待される「リニア中央新幹線」。名古屋駅周辺の再開発も進んでいますが、11月12日まで「駅西」にはキッチンカーと土産物店が登場。「リニア開業」を見据えた動きが進んでいます。

摩天楼がそびえる名古屋の玄関口「名駅」。その西側一帯では老朽化した建物や、シャッターが降りたままの店も。

(20代)
「(Q.名駅西のイメージは?)ピンとこないですね。買い物も東側で済むので」
(10代)
「夜は治安の悪いイメージ。東側みたいにもっと人が集まる街にしてほしい」

10代・20代に話を聞くと、名駅を挟み「東側」での買い物や食事が主流。「西側」からは、最近足が遠のいているという声も。

名駅西の歴史は、戦後復興の象徴でもありました。焼け野原となった後に「闇市」が生まれ、混沌とした時代が続く中で街が徐々に形作られていきました。

終戦直前に生まれた男性は、物心がついた頃の街の印象について…

(近くに住む男性・79歳)
「バラックの建物が並んで、近寄りがたいなと。学生時代から思うと全然変わってしまった」

1964年に東海道新幹線の開通。そして、今度は「リニア」開通が視野に。新たな駅の建設も進み、街は転換期を迎えています。

これは、名古屋市などが制作に参加したリニア開通後をイメージした「名駅西」の仮想空間。歩道には、雲をイメージした屋根が。誰もが楽しめ、落ち着く空間を作りたいとのこと。

そこにつながる車道には、10月30日から2週間だけ特別に「ラーメン」のキッチンカーと土産物店が並び、「リニア関連グツズ」を販売しました。

(利用者)
「名駅のビル群がよく見えるので、こういうの眺めてご飯を食べるのいいですね」

実は、これは名古屋市の社会実験。今の駅前広場から駅西商店街につながる道の歩道部分を4メートル広げて、キッチンカーと土産物店を並べてみると、名古屋駅からの人の流れは商店街へどれほど導けるのか。

交通への影響も合わせて調べました。

(名古屋市 リニア関連・名駅周辺開発推進課 小島敦係長)
「(交通に)そんなに大きな影響は出ていない。(Q.社会実験で見えた課題は?)間にフェンスなどがあって、歩道と分離してしまって、歩道のにぎわいと連続しないなと」

(出店者)
「地元の人がやっている昔ながらのお店と、再開発によって新しくできる店がいい感じに共存しないと、面白くないと思っている」

名古屋市は、リニア開業を見据えながら3年後に愛知・名古屋で開かれるアジア競技大会までにはこの歩道を広げる計画で、「名駅西」のにぎわい作りを引き続き模索します。

© CBCテレビ