メルセデスAMGからジュンカデラが移籍。コルベット、WEC/IMSAに参戦するファクトリードライバーを発表

 11月13日、コルベット・レーシングは2024年のファクトリー・ドライバーを発表した。新たに4名のドライバーが加わり、現在の4人と合わせた8名が、新型シボレー・コルベットZ06 GT3.Rのステアリングを握る。

 新たにファクトリードライバーのロスターに名を連ねたのは、ダニエル・ジュンカデラ、アール・バンバー、チャーリー・イーストウッド、ニコ・バローネの4名だ。彼らはIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権とWEC世界耐久選手権のいずれか、一部はその両方でレースに参戦する。

 既存のファクトリードライバーであるアントニオ・ガルシア、トミー・ミルナー、ニッキー・キャツバーグ、アレクサンダー・シムズは、2台体制を採る『コルベット・レーシング・バイ・プラット・ミラー・モータースポーツ』からウェザーテック選手権のGTDプロクラスにフル参戦する。

 ジュンカデラとバンバーは、IMSAの開幕戦デイトナ24時間レース、および第2戦セブリング12時間レースで、上記ラインアップへと加わる第3ドライバーとなる。ジュンカデラはガルシア/シムズのコンビに、バンバーはミルナー/キャツバーグのコンビに加わる。

 さらに、長年ファクトリードライバーを務めたメルセデスAMGを離脱するジュンカデラは、TFスポーツが走らせるZ06 GT3.Rで、WECのLMGT3クラスにフル参戦を果たす。

「コルベット・レーシングが米国で築き上げてきた遺産や、このブランドの認知度を見るのは非常にエキサイティングだと言わざるを得ない」とジュンカデラはコメントしている。

「コルベットのファクトリードライバーであることを誇りに思うし、とても特別なことだと感じている」

メルセデスAMGを離脱し、ファクトリードライバーとしてコルベット・レーシングに加わるダニエル・ジュンカデラ

 以前はポルシェをドライブし、コルベットの長年のライバルでもあったバンバーは、IMSAの耐久ラウンドへと出場するが、彼はキャデラック・レーシングにおけるWECハイパーカーのプログラムにおいても、引き続き契約を結んでいる。

「コルベット・レーシング・バイ・プラット・ミラー・モータースポーツから(IMSAの)長距離レースに参加できるのは、本当にエキサイティングだ」とバンバー。

「僕はIMSAのレースで長年にわたり大きなライバル関係にあった。しかし、この組織は非常に多くのレースやチャンピオンシップで勝利を収めてきた。それは本当に印象的だ」

「ロード・アメリカで最初のテストをしたとき、なぜ彼らがこれほど成功しているのかが分かったんだ。Z06 GT3.Rをドライブしたが、パッケージはとても良いと思う。彼らは長年にわたって素晴らしいGTLMカーを作り上げてたから、コルベットGT3が異なるものになる必要はないはずだ」

2023年、WECのハイパーカークラスに2号車キャデラックVシリーズ.Rから参戦したアール・バンバー

 WECにおいては、イーストウッドはジュンカデラとともにコルベットのファクトリードライバーとしてTFスポーツに加わる。2018年から2020年にかけて、そして今シーズンもTFスポーツでアストンマーティンをドライブしてきたイーストウッドにとっては、勝手知ったる関係だ。

「コルベットのようなブランドやGMのような組織に加わることは、僕にとって間違いなくランクアップだ」と彼は語った。

「それは多くのドライバーがキャリアを通じて望んでいることだ。ここは素晴らしい場所だと思う。とても多くのドライバーが、長きにわたってここにいることからも、それが分かる」

 2023年のWECで、コルベット・レーシングの新星であったバローネは、ファクトリードライバーとしての1年目からは、フルタイムのウェザーテック・チャンピオンシップの任務に移行する予定だ。

 彼は今年のデイトナ24時間レースのLMP3クラスで優勝したチームであるAWAのシートへと戻り、アンソニー・マンテラとパートナーを組んでGTDクラスに参戦する。

「コルベットのファクトリードライバーになれることはとても光栄だ」とバローネ。

「来シーズン、AWAのみんなとともにまたIMSAに参戦できるのも嬉しい。彼らとは今年知り合い、LMP3で耐久レースをやっている人たちだ。今年は、良い年だった」

 コルベットZ06 GT3.Rプログラムマネジャーのクリスティ・バーニュは次のように述べている。

「我々がGT3、そしてカスタマー・レーシングの世界へと移るにあたり、チームが利用できるドライバーのロースターを増やすことは重要だった」

「我々は、豊富な経験を持つコルベットのファクトリーラインアップに興奮している。GMと我々のチームの双方が、各ドライバーの学びから恩恵を受けるだろう」

© 株式会社三栄