「長時間労働や雑用でうつ病」女性に労災給付不支給の労基署処分は違法 京都地裁

京都地裁

 会社での長時間労働などが原因でうつ病を発症したとして、京都市山科区の女性(43)が、労災給付を不支給とした京都上労働基準監督署の処分取り消しを求めた訴訟の判決が14日、京都地裁であった。植田智彦裁判長は処分を違法として取り消しを命じた。

 判決によると、女性は中京区の出版社に勤務していた2015年4月ごろにうつ病を発症し、16年1月に退職した。植田裁判長は発症前の勤務状況について、月100時間ほどの時間外労働が認められるほか、掃除など雑用を強いられる業務に配置転換されたことで、強い心理的負荷があったと認定。うつ病と業務との因果関係を否定した労基署の判断は違法と判断した。

 原告の女性は記者会見で「しんどい思いをしながら働く人たちにとって少しでもプラスになればいい」と話した。同監督署を所管する京都労働局は「今後の対応については判決内容を検討し、関係機関と協議する」としている。

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