虞犯少年規定、活用を指示 犯罪なくても自由制限恐れ

虞犯少年の通告・送致の流れ

 少年法で「正当な理由なく家庭に寄りつかない」「いかがわしい場所に出入りする」などと規定されている「虞犯少年」について、警察庁が家庭裁判所への送致や児童相談所への通告を積極的に行うよう全国の警察に指示したことが14日、同庁への取材で分かった。送致、通告されると罪を犯していなくても少年院に送られる恐れがあり、人権に配慮した慎重な運用が求められる。

 少年法は「犯罪性のある人と交際する」などの要件に該当し「将来罪を犯す恐れがある少年少女」を虞犯少年と規定。警察官は直接、家裁に送致したり児相に通告したりできると定めている。

 警察庁は4月、この規定を積極活用するよう通達を出した。具体的には(1)保護者からの相談や警察活動で得た情報から虞犯少年の発見に努める(2)家裁審判に付すことが適当な少年は確実に送致する(3)家裁や児相、学校と連携する―などの内容。

 親や学校から繰り返し相談があるなど、現状の環境では更生が難しい少年少女に適用するとみられる。

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