【MLB】ドジャースで33本塁打と復活したJ・D・マルティネス “大谷獲得レース”に左右されるベテランの行く末は?

写真:FA市場に出たJ・D・マルティネス ©Getty Images

ドジャースの目は正確だった。今季を迎えるにあたり、彼らはFA市場で「ベテランの大砲」を獲得した。J・D・マルティネスだ。

J・D・マルティネスは今年でメジャーリーグ13年目を迎えた。2011年にアストロズでメジャーデビューを果たしたJ・D・マルティネスは、タイガース移籍後の2014年に打率.315、23本塁打、76打点を記録するなど頭角を現した。2015年には、打率.282、38本塁打、102打点と爆発し、自身初となるオールスターゲームに出場。2017年にはタイガースと、ダイヤモンドバックスでプレーし、打率.303、45本塁打、104打点を記録し、全盛期を迎えた。

その後、レッドソックスと5年総額1億1000万ドルでFA契約を結ぶと、2018年に打率.330、43本塁打、130打点をマークし、ア・リーグの打点王はもちろん、外野手部門と指名打者部門で同時にシルバースラッガーを受賞するという偉業を達成し、話題を集めた。ワールドシリーズでも打率.278、1本塁打、5打点を残して優勝に貢献すると、2019年にも打率.304、36本塁打、105打点を記録した。しかし2022年は打率.274、16本塁打、62打点と思うような結果が残せず、結局レッドソックスを離れることとなった。

そんなJ・D・マルティネスに手を差し伸べたのがドジャースだった。1年1000万ドルで契約を結ぶと、打率.271、33本塁打、103打点と見事に復活を果たす。メジャーリーグ通算成績は打率.297、315本塁打、1002打点。個人通算300本塁打と1000打点を達成し、いつにも増して意義深いシーズンをドジャースで送った。

ドジャースとの1年契約が終わり再びFA市場に出たが、残留の可能性は低いように見える。他でもない「二刀流」大谷翔平のためだ。

大谷には早くも「5億ドル契約説」が台頭しており、このレベルの契約に耐えうるチームはドジャースだけだと多くの現地メディアが予想している。大谷がもしドジャースに入団すれば、指名打者として出場する可能性が高い。今季に指名打者を務めていた選手こそ、J・D・マルティネスだ。ドジャースが大谷の獲得を実現させれば、J・D・マルティネスを引きとめる理由は乏しくなる。

一方、FA市場で彼の獲得を求めるチームは少なくないと思われる。メジャーリーグ公式HP『MLB.com』は日本時間11月13日、FA選手の「ティア」を掲載した。大谷を唯一の「ティア1」に挙げ、「ティア2」に分類された10人に、J・D・マルティネスの名があった。

『MLB.com』は「今年113試合に出場したが、本塁打33本と103打点、そしてOPS.893を記録した。36歳ながら、J・D・マルティネスは確かにインパクトのある打者だ」と評している。

行き先としては、ドジャースのほかエンゼルス、メッツの3球団の名前が挙げられている。ドジャースがもし大谷を逃せば、再びJ・D・マルティネスに接近する可能性があり、エンゼルスは大谷が去った空席を埋める必要がある。主にダニエル・ボーゲルバックが指名打者を務めていたメッツも、攻撃陣の補強が必要な状況だ。

J・D・マルティネスは来季、どのチームのユニフォームを着ることになるのだろうか。

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