鹿沼・大芦川上流域でBBQや花火など禁止へ 市が条例案公表、来年4月にも施行 5万円以下の罰則も

川遊びやバーベキュー客でにぎわう旧西大芦小付近の大芦川=2023年8月

 栃木県鹿沼市は14日、大芦川流域の生活・自然環境を保全するため、指定された河川区域でバーベキューなどの行為を禁止する「大芦川流域における生活環境等の保全に関する条例」の原案を明らかにした。違反者には罰則として5万円以下の過料を科す。市は下沢の大関橋から上流の約30キロを対象区域として想定している。条例案は21日開会の12月定例市議会に提出し、可決されれば来年4月1日に施行される。

 同日、市議会全員協議会で説明した。条例案は禁止行為として「バーベキュー」「花火」「騒音の発生」の3項目を規定。具体的な禁止区域や期間、時間帯などは条例制定後、住民や関係団体の意見を聴取した上で年度内に決定して告示し、施行後は状況に応じて指定内容を変更するとしている。

 上流域になるにつれ川遊び客が増える現状から、市が示した区域指定案では、下沢の大関橋から引田のくねのばら橋までの河川区域を午後5時~午前8時までの「夜間禁止」に指定。くねのばら橋から上流域は、下大久保のちびっこ広場周辺と旧西大芦小周辺を夜間禁止とし、それ以外を「終日禁止」とする。

 また過料を徴収する権限を持たせた市職員を含む3人一組を基本にパトロールを行うほか、県土木事務所や警察などと連携する体制を構築するとしている。秋澤一彦(あきざわかずひこ)市総合政策部長は「啓発では(改善が)進まなかった部分をルール化することで、対策が一歩進むと考えている。地域の皆さんが安全に生活できる状態を目指す」などと説明した。

 大芦川は豊かな自然とアクセスの良さから、近年県内外から川遊びやバーベキューを楽しむ観光客が急増。それに伴い路上駐車やごみの放置、騒音などの問題が生じた。市は2020年から地域住民と連携し、パトロールや駐車場の設置など解決に向けた活動を進めてきたが、改善が見られないことや地域住民の強い要望もあり条例制定に踏み切った。

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