氷見に帰郷、漁港近くでバー開業 堀本さん、同世代の活躍刺激

バーをオープンした堀本さん(右)と文子さん=氷見市中央町

  ●昼営業、地元産カクテルでにぎわいを

 東京などで腕を磨いたバーテンダー堀本秀輔さん(34)が夫婦で氷見市にUターンし、市中央町の氷見漁港近くにある空き家を改修してバーをオープンした。移住者らの新規開業が相次ぐエリアで、新しい風が吹くまちの雰囲気が決め手となった。氷見産ショウガを使ったカクテルなど地元産品を生かしたメニューも提供し、ふるさとのにぎわいに一役買いたい考えだ。

 堀本さんは同市阿尾出身。氷見高卒業後、都内の大学に在学中、レストランバーでアルバイトしたことをきっかけにバーテンダーの道に進んだ。東京で6年間修業後に松山市に移り、道後温泉にあるホテルなどで10年間働いた。

 独立に当たって候補地は当初、妻文子さん(39)の出身地である松山市などを考えていたが、美しい海景色にひかれた文子さんが氷見をすすめた。

 中でも中央町では、1年ほど前からコロナ収束を見据えて宿泊施設やパン、アイスクリーム店などの開店が相次いでいる。市IJU応援センターから助言を受けた堀本さんは、過疎化が進むまちで同級生ら20~30代の若い世代が新規開業や活性化に励んでいることに刺激を受け、地元での挑戦を決意。7月末に移住し、開店準備を進めてきた。

 店名は「Bar堀本」。氷見では珍しい正統派のオーセンティックバーで、シングルモルトのスコッチなどウイスキー20種類のほか、ジンやウオッカ、ラム酒などをそろえる。営業時間はバーとしては早い午後3時~午前0時とした。ランチタイム後から夜までの時間帯も営業し、日帰りの観光客が訪れやすいようにした。

 堀本さんは「誰もがふらっと立ち寄れる場所が理想。来た人の記憶に残るような店にしたい」と意欲を見せた。文子さんは「移住してきた人が集まる場所になればうれしい」とほほ笑んだ。

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