ピーナツバターが効果アリ 猛毒の外来種根絶に

ピーナツバターに群がる特定外来生物「コカミアリ」(兵庫県立大学の橋本佳明特任教授提供)

 岡山県で今年7月、強い毒を持つ特定外来生物「コカミアリ」の侵入が国内で初めて確認された。繁殖能力が高く、いったん定着すると根絶が難しいため、早期の水際対策が重要。そこで有効な手段として使われたのは「ピーナツバター」だ。

 コカミアリは体長1~2ミリと小型で発見しにくく、集団一つあたりの産卵量が多いといった特徴がある。7月3日、フィリピンから到着したコンテナを岡山県倉敷市の水島港に陸揚げした際、約30匹を発見。生態系への影響が懸念され、完全駆除が求められた。

 コカミアリを引き寄せるのに役立ったのがピーナツバターだ。40年以上アリの研究をしている兵庫県立大の橋本佳明特任教授によると、コカミアリには糖分と植物油脂を好む特性がある。誘引剤としてピーナツバターが効果的だと助言した。駆除作業と同時に、水島港内にピーナツバターを150~200カ所置き、コカミアリが残っていないかどうか確認する調査を継続的に実施。確認ゼロが続き、定着を防ぐことに成功した。

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