虎日本一の名場面が街角に 83歳の絵手紙講師が近本や村上らの活躍描写「快挙の余韻、味わって」 兵庫・相生

自宅前のミニギャラリーで、阪神日本一の瞬間を描いた作品を手にする角本勝さん=相生市那波野1

 近本、村上、大山、伊藤ら虎戦士の活躍を丹念に描きながら、プロ野球阪神タイガースの日本一を待ちわびていた83歳の絵手紙講師が相生市にいる。新聞に載った写真などを題材に、プレーする選手を色紙などに描写。自宅前のミニギャラリーに今季日本シリーズの名場面を描いた7作品を展示し、「道行く人に38年ぶり快挙の余韻を味わってもらえれば」と話している。(豊田 修)

 同市那波野1の角本(かくもと)勝さん。元同市職員で退職後の1998年に趣味で絵手紙を始めた。「下手でいい、下手がいい。ただし一生懸命描く」をモットーに創作。市内外のコンクールで入賞し、個展も開いている。日本絵手紙協会公認の講師資格を取得し市内の教室で指導も続けている。

 約20年前からは自宅前の壁面に「ミニギャラリー」と名付けた掲示板を設置し、通学児童らからも親しまれている。毎月、アニメキャラクターなども展示し、絵をプレゼントしたり、子どものリクエストに応えて描いたりもしている。

 初代ミスタータイガース、藤村富美男選手らが活躍していた頃からの阪神ファン。かつて相生から出ていた応援バスツアーにも参加し、何度も甲子園球場に足を運んだ。

 今季の阪神は開幕から好調を維持。日本一達成までの道のりを自らの筆で残そうと、はがきや色紙、掛け軸などに50以上の作品を描いた。新聞に掲載された写真などを手本に、丹念にボールペンで下書き。顔彩(がんさい)で色を付け選手の躍動感あふれる姿を再現している。

 角本さんは「阪神の日本一は本当にうれしい。翌朝の新聞が待ち遠しくて、ページをめくるのが楽しかった。(作品は)1枚描くのに2時間ほどかかるが、苦にならない。これからも筆で応援を続けたい」と笑みを浮かべる。

 作品の一部は18、19日に市文化会館(同市相生6)で開かれる「相生市文化祭・絵手紙展」でも展示される。

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