北条鉄道網引駅(兵庫県加西市)の前に立つ大イチョウが黄色に染まった葉を今年も大きく広げている。駅のシンボルとして親しまれており、高さは20メートル以上。写真愛好家らが連日、シャッターを切っている。
樹齢は85年ほどとされ、ギンナンを実らせる雌株。黄色のじゅうたんを敷き詰めたような落葉の光景でも知られ、地域の景観づくりに重要な役割を果たしているとして2018年、兵庫県の「景観形成重要建造物等」に指定された。
北条鉄道によると、今年はほぼ例年通り10月末に色づき始めた。日が当たる南側は青葉が残るが、黄色くなった北側の葉はすでに散り始めている。近くに住む内科医の堀井幸恭さん(57)は「一本の木で葉の色が違っているのは珍しい。これはこれできれいですね」と話していた。見頃は23日ごろまでという。(笠原次郎)