大宮で長蛇の列“さいたまホタテ祭り”開催 バター焼きやグラタン人気、東日本の水産業を応援 商店街もにぎわい感謝

ホタテの消費を呼びかける清水勇人市長

 東京電力福島第1原発処理水の海洋放出による風評被害を払拭し、東日本の水産業を応援しようと、埼玉県さいたま市は12日、大宮区の大宮銀座通りで、「食べて応援!さいたまホタテ祭り」を開催した。北海道産のホタテをバター焼きにして販売し、消費拡大を呼びかけた。歩行者天国の通りには長い行列ができ、購入した人たちは、おいしそうにホタテを食べていた。

 市経済政策課によると、北海道産ホタテ約千個を用意し、バター焼き2個を500円で販売した。東電パワーグリッド埼玉総支社は、宮城県石巻市産ホタテ入りのグラタンを800円で販売。焼き芋のキッチンカーも登場した。

 市立上小小学校1年の川浪百合子さん(7)は、家族3代5人で訪れ、1人2皿ずつ10皿を購入した。ふるさと納税で注文するほど、家族全員がホタテ好きで、「おいしい」と言って口に運んでいた。

 来場した清水勇人市長は「ホタテが輸出できなくなっています。おいしいバター焼きを堪能してください」と呼びかけた。多くの人が訪れて食べることはできなかったものの、「応援しようと、たくさんの皆さんが来ていただいて、ありがたい」と語った。

 市からの要請を受けて協力した大宮東口商店街連絡協議会の栗原俊明会長は「お互い助け合いですから、一助になればと喜んで協力した。多くの人が並んでにぎわっているので、商店街としてはありがたい限り」と話していた。

 東電は8月、原発事故で生じた汚染水を処理して、海洋放出を開始した。国や東電は海水で希釈して基準値を十分に下回っているとしており、国際原子力機関(IAEA)も放出計画を承認している。一方、放出に反対する中国は日本産の水産物の輸入を停止し、ホタテが特に大きな影響を受けている。

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