高梁・吹屋 水道水からカビ臭物質 国基準の4倍 市は当初公表せず

 岡山県は15日、高梁市成羽町吹屋地区の水道水からカビ臭の原因物質が国の基準値を超えて検出されていたと発表した。同市は10日に同じ地区から基準を上回る塩素酸が検出されたと明らかにしたが、同時に確認された今回の物質については健康被害の恐れがないことから公表の必要はないと判断したという。

 物質は「2―メチルイソボルネオール」。9月の定期検査で国の基準値(1リットル当たり0.00001ミリグラム)の4倍となる0.00004ミリグラムを検出した。10月の臨時検査でも基準値を超えたが、浄水場に濃度を下げる活性炭を投入し、現在は基準値以下に収まっている。少雨の影響で貯水池に臭いのもとになる植物プランクトンが大量発生したことが要因とみられる。

 県が県議会常任委員会で説明した。水道法では2―メチルイソボルネオールは健康への影響が懸念される塩素酸と同様に検査と結果の公表が義務付けられている。高梁市は「今後は水質に異常があれば速やかに公表したい」としている。

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