インフルエンザが流行する中で薬不足が深刻に きっかけは医薬品メーカーの不祥事 影響は続く見込み 

街の薬局で薬不足が深刻となっています。

その背景にはインフルエンザや風邪の流行だけでない理由がありました。

名古屋市中川区にある大島薬局は、医師の処方箋(しょほうせん)が必要な「処方薬」の調剤と「市販薬」の販売を行う”街の薬局”ですが今、薬不足が深刻な状態となっています。

(大島薬局 管理薬剤師 大橋弘治さん)
「咳止めなんですけど、入ってきていない状態。先週1000錠入ってきたんですけど、1週間くらいでなくなった」

大島薬局では処方薬だけでなく市販用の薬も不足しています。

(大島薬局 管理薬剤師 大橋弘治さん)
「一般用薬品で入ってこないのは、ほぼ全部なんですけど。特に咳止めは、あと2箱だけ。これ(咳止め)も入ってきてない状態。咳止めの成分が入った、のど飴もこれだけ」

2020年以降の新型コロナの感染拡大と、ことしのインフルエンザと風邪の流行で、それらの症状を抑える薬は慢性的に不足している状態が続いているということです。

特に処方薬の咳止め薬、子供用のタミフルの粉薬、さらに子供用の抗生剤が不足してる状況です。

大島薬局によると、他の薬局の中には医師と相談した上で、大人用のタミフルのカプセルを分解し、中に入る粉を子どもの体重にあわせて処方している所もあるそうです。

しかし、こうした薬不足に陥っている根本的な原因は他にあるといいます。

(大島薬局 管理薬剤師 大橋弘治さん)
「一番の発端はメーカー不祥事。メーカーさんが製造中止、営業停止になってしまった」

不祥事とは2020年11月のこと。

「後発医薬品」いわゆるジェネリック医薬品を製造するメーカーの爪水虫など皮膚病の薬を服用した患者に副作用が起きた問題が発端。

薬に誤って睡眠薬成分が混入していたという品質不正が発覚したのです。

その後もメーカーの品質不正が相次ぎ、業務停止などで薬の製造が滞り、連鎖的に国内での薬の供給不足が起きているのです。きょう、薬局を訪れていた人は…

(訪れた人)
「やっぱり、かかったときに薬がないのは心配ですよね。インフルエンザは薬を飲むと熱が下がる印象があるので」

大島薬局では今後、薬が足りなくなったら医師と相談し、患者の状況をしっかり把握して処方の仕方を検討するということです。

(大島薬局 管理薬剤師 大橋弘治さん)
「なるべく在庫があるように努力しますので、皆さんも健康管理していただくのが一番かなと思います」

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