「 カセットこんろ」による火災に注意 ボンベが過熱すると爆発する恐れが

15日まで秋の全国火災予防運動ですがこの運動期間中にも
静岡県内で火災が相次ぎました。寒さが本格化するこの時期コンロが原因の火災にも注意が必要です。

寒さの本格化とともに、県内で住宅火災が多発しています。

近隣住民 静岡・清水区 5日:
「爆発音みたいのがバーンと1回目鳴って、もう1回鳴ったくらいで窓の所を見に行ったら燃え始めていた」

原因は様々ですが、特にこの時期から気をつけたいことが・・・。

カセットこんろのボンベによる火災です。

11月9日、静岡市駿河区のマンションに住む60代の男性から「部屋でボンベが爆発した」と119番通報がありました。

火は、およそ1時間半後に消し止められましたが、マンションの一室が全焼しました。

近隣住民 静岡・駿河区 9日:
「(向かいの家の方は)住人の方がベランダの方に出てきて慌てて何かやっている仕草があって、ちょっと後にボンと爆発があったと言っていた。煙がだいぶ出ていて住人がベランダでうなだれていて。消防隊が助け出してかなり長い間くすぶっていた」

火元の部屋に住む60代の男性は、全身やけどの重傷でしたが12日、搬送先の病院で死亡が確認されました。

県のまとめによりますと、去年1年間に県内で発生した火事は908件。

損害額は合わせて31億8000万円に上っています。

住宅火災の出火原因の1位は、「カセットこんろ」を含む「こんろ」。

全体の16.3%を占めています

カセットこんろの危険性について、静岡市消防局は・・・。

静岡市消防局 消防部予防課火災調査係 近江達彦消防司令:「一般的に家庭で使われるようなガステーブルと違って、安全装置がついてない点が一つある。加熱しすぎてしまうことによって、内容物が発火してしまったり、煮こぼれをした後にガスが止まったと思って、再度点火してしまうと漏れていたガスに引火したりすることもよくあるケースとしてある」

寒さが本格化すると、鍋料理など利用の機会が多くなる「カセットこんろ」。

消防も注意を呼び掛けています。

静岡市消防局 消防部予防課火災調査係 近江達彦消防司令:「いま全国一斉で火災予防運動を実施している最中なので、火災予防に気を付けてもらいたいところだが、特にカセットこんろを使用する際には、機器の点検、使用方法も不備がないかを確認してもらって火災の予防に努めてもらいたい」

ガス機器などの業界団体は、ボンベが過熱して爆発する恐れがあると指摘。

「こんろを覆い隠すような大きな鍋や鉄板は使わない」

「カセットこんろを2台以上並べて使わない」などと注意を呼び掛けています。

実験映像ノイズ 提供:NITE「ぼん」

こちらは、カセットこんろ2台の上に、大きな鉄板を置いた場合の実験映像です。

鉄板からの熱を受け、左側のこんろは、安全装置が働き、火が止まります。

しかし、右側のこんろは、火は止まりません

このため、ボンベは加熱され続け、爆発しました。

実験映像ノイズ② 提供:NITE「ぼん」

一方、こちらはボンベをヒーターの前に置いた実験映像です。

キャップの部分が吹き飛び、ボンベから出たガスに引火しました。

また、日本ガス石油機器工業会は、ガスボンベには、ゴムの部品が使わているため、製造からおよそ7年以内に使い切るよう、呼びかけています。

© 静岡朝日テレビ