「ジャニー北野川です」北野武の“ブラックジョーク挨拶”が「全く笑えない」と波紋 一部では称賛も

11月15日、映画監督の北野武(76)が都内の日本外国特派員協会で会見を開いた。23日に公開される新作映画『首』についての会見だったが、ジョークを交えた挨拶が波紋を呼んでいる。

冒頭で司会者から「漫才や映画、アートなど様々な作品の中で特に印象に残っているものは?」と質問されると、「あの、あっ……」と気付いたように頭を下げながらこう挨拶したのだった。

「はじめまして、ジャニー北野川です」

性加害問題で揺れている旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.社)の創業者・ジャニー喜多川氏(享年87)の名前にかけてジョークを飛ばし、会場からは笑いが沸き起こっていた。

このジョークを受けて、質疑応答では“日本の芸能界において今年一番大きな話題だったジャニーさんについて質問したい”との要望が。「ジャニーさんの何百人もの子供を巻き込むようなスキャンダルが報道された時に、驚きなどというものはありましたか?」と問われ、北野は私見をこう語った。

「芸能界っていうかジャニーズのタレントとか、そういう人たちと仕事は何十年もやってるんで、色々と噂を聞くし。色んな人から『それはよくあったこと』という風に聞くけれども、自分たちにとってはそういう世界に行ったら、『それは当然あるだろうな』としか……。その当時は考えてなくて、最近になって世界中で大きな問題になるっていうのは時代の流れかなと思うし」

続けて、「(中略)芸能の仕事というのは、奴隷ではないけれども商品として人間を扱って、それを見世物としてお金を稼ぐという商売が芸能界だっていう昔ながらの習慣が残っているんで。自分たちもお笑いの世界に入って、働いた10分の1ももらえない時代があったんで。日本の芸能界は最近は良くなったけど、昔は酷いもんだと思っていました」とコメントした。

北野の会見は情報番組『ゴゴスマ -GO GO!Smile!-』(TBS系)でも中継が放送され、多くの人の目に触れることに。とりわけ北野がジャニー氏の名前にかけて挨拶したことは注目を集め、ネット上では賛否が巻き起こっている。

北野といえばかつて『27時間テレビ』(フジテレビ系)で、“ジャニー喜多ノ川”としてジャニー氏に扮したキャラで出演したこともあった。そうした背景もあり、お笑い界のレジェンドによる“ブラックジョーク”として受け止めた人もいたようだ。

《やはり期待を裏切らんw 最高》
《昭和のお笑い!って感じ!すげぇ…(笑)》
《昔のキレは影も無いが 「こんばんは、ジャニー喜多ノ川です」 をぶっ込んできたのは流石であった》

だがいっぽうで、14日には「ジャニーズ性加害問題当事者の会」に所属していた40代男性が10月に大阪府の山中で死亡していたと報じられたばかり。被害者の救済・補償もまだ始まっておらず、性加害が認定されている喜多川氏にちなんだジョークに「不謹慎」だと非難する声も上がっている。

《ジャニー北野川ですと言う冒頭の挨拶は全く笑えない》
《時代遅れのジョークで笑えるのか?被害者多数、おまけに人が亡くなってるのに》
《何だかなぁ~笑えない。ギャグのつもりなのか。時代に合わなくなってきてるのかな。 昔は好きだったけど》

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