つらい関節痛に「発酵しょうが」有効成分ジンゲロールがポイント

関節痛の解消だけでなく予防にも効果が期待できる

秋になり気温が低くなると出てくる、指のこわばり、ひざの痛みなどの「関節痛」。更年期の症状でもあり、炎症を抑える働きがある女性ホルモンの減少によるともいわれている。

そんな関節の痛みにしょうがのパワーが効果的だと言うのは、医学博士で、しょうが研究の第一人者、食品医学研究所の平柳要先生。

「最近、米コロラド大学の研究チームが関節リウマチなど免疫異常による体内の炎症にしょうがの成分『ジンゲロール』が有効だと発表。健康な人が1週間にわたり1日100mgのしょうが抽出物を摂取したところ、本来、人の体を守る好中球などの免疫細胞(白血球)がなんらかの原因で過剰に反応する“免疫の暴走”を抑える効果が明らかになりました。これまでにも変形性関節症や脊柱管狭窄症、股関節痛などさまざまな関節痛に効果があることがわかっていますが、あらためてしょうがの健康効果が認められました」

しょうがの強い抗炎症作用は二大辛味成分「ジンゲロール」と「ショウガオール」によってもたらされるという。

「ジンゲロールは、加熱することでショウガオールになりますが、どちらも非常に強い抗炎症作用があるのが特徴。関節痛は、いわば関節で起こる火事です。体中で起きる火事の消火活動には抗炎症作用のある成分が有効なのです。さらに、しょうがには、毛細血管を広げたりおなか周りの血流をよくしたりして全身の血の巡りをよくする働きがあります。炎症が起きていないかパトロールする免疫細胞がその血流に乗って体の隅々まで運ばれていき、早めに対処することも期待できるのです」

関節痛の解消だけでなく予防にも効果が期待できるしょうが。毎日摂取するのがポイントだ。

「毎日すりおろすのが面倒ならば、多めにすりおろして冷蔵室で保存する『発酵しょうが』もいいでしょう。皮ごとすりおろすだけででき、栄養価が高く、消化吸収に優れています。さらに関節痛には血流改善効果の高いショウガオールを増やすのがコツです。ショウガオールは温度が高いほど増えるので、熱い緑茶に加えるのもいいでしょう。緑茶には『エピガロカテキンガレート』が含まれます。これには抗炎症作用だけでなく、体のサビを作る活性酸素を除去する抗酸化作用があり、健康効果アップに」

秋はしょうがを摂取しよう!

© 株式会社光文社