特殊詐欺被害、10月だけで130件超 兵庫県内、過去10年で最多 年間でも最悪ペース、被害者は65歳以上が8割

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 兵庫県警が今年10月に認知した特殊詐欺被害が130件超に上り、月別では過去10年で最多となることが分かった。闇バイトの募集が広がり、詐欺グループの動きが活発になっているとみられ、年間でも最多件数を更新する可能性が高いという。

■「架空料金請求」や「サポート詐欺」が多発

 県警によると、県内の今年1~9月の特殊詐欺被害は889件で、被害者は65歳以上が約8割を占めた。10月分を合わせると千件余り、被害金額は16億円超が見込まれるという。

 過去10年で最多だった昨年の1074件を上回る勢いで「約1.2倍増になる恐れがある」と担当者。現在の統計手法に変更される前は、2004年の1140件が最多だったが「これも上回りかねないペース」と懸念する。

 県警が先月認知した特殊詐欺被害で最も多かった手口は、架空の未払い料金などを口実に金銭をだまし取る「架空料金請求詐欺」で約50件だった。ウイルス感染したという偽の警告画面をパソコンに表示させ、解決と対策名目で支払いをさせる「サポート詐欺」が多発している。

 続いて、税金などの還付に必要な手続きと偽ってATMを操作させ、別の口座に送金させる「還付金詐欺」が約40件に上った。

 特殊詐欺犯は、留守番電話に切り替わると電話を切ることが多いとされ、県警生活安全企画課の池添塁次席は「留守電で大半を防げる。電話口に直接出ないで」と呼びかける。

 また、還付金詐欺は一般的に、高齢者が市役所などに迷惑をかけていると思わされ、あせって手続きをする事例が多い。「電話をしながらATMの操作をする高齢者を見たら、声をかけてほしい」と被害防止に周囲の協力も求めている。(篠原拓真)

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