男性講師が生徒蹴る 茨城県立土浦特別支援校 暴行罪で略式命令

茨城県庁=水戸市笠原町

茨城県土浦市上高津の県立土浦特別支援学校で昨年10月、高等部3年の副担任だった20代男性講師が生徒(当時)を蹴るなどの不適切指導があったことが15日、分かった。講師は今年3月末に退職。10月に暴行罪で略式起訴され、罰金10万円の略式命令を受けた。

関係者や起訴状などによると、元講師は昨年10月14日、同校敷地内で、重度の知的障害がある高等部3年の男子生徒1人の尻を蹴る暴行を加えたとされる。

今年2月には、別の生徒から「(元講師から)ばか、あほと言われたり、嫌なあだ名で呼ばれたりした」「友達をたたいたり、からかったりしている」との訴えもあった。学校側は3月に開いた保護者説明会で、当時の校長が「体罰はなかった」と説明したが、保護者から追加調査を求める声が上がっていた。

元講師は学校側の聞き取りに対し、当初は「生徒が物を投げるのを止めようとした際に、足で蹴ったように見えてしまった」と暴行を否定したが、その後「蹴ってしまった」と一転して認めた。県教委は元講師と当時の校長を口頭注意。元講師は任期満了、校長は定年のため同月末でそれぞれ退職した。学校側は4月の保護者説明会で、体罰があったことを認めたという。

男子生徒の保護者は5月、県警土浦署に被害届を提出。土浦区検は10月26日、暴行罪で元講師を略式起訴、土浦簡裁は罰金10万円の略式命令を出した。

この保護者は「重い障害で話せず、助けを求められない子どもに暴力を振るうのは許せない」と話した。同校や県教委に対しては「今後このようなことが起こらないようにしてほしい」と訴えた。

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