治安悪化の宇都宮・オリオン通り 市が商店街向け補助拡充 カメラ設置や警備員人件費に

土曜日深夜のオリオン通り=9月下旬(画像は一部加工しています)

 宇都宮市中心部のオリオン通りで治安悪化が問題視される中、市は15日、安全対策に関する補助金制度を拡充した。商店街を巡回する警備員の人件費を補助対象に追加したほか、防犯カメラ設置の支援枠を広げた。オリオン通りでは深夜営業の店舗が増え、客引きや騒音などのトラブルが顕在化し、対策を求める声が上がっていた。

 市によると、今年9月の休日夜のオリオン通り歩行者通行量は2045人。コロナ禍前の2019年の1947人と比べ5%増えた。深夜まで営業する居酒屋やガールズバーなどの出店が急増しており、客引き、客同士のトラブルなど治安悪化が目立つようになった。商店街や住民からも「夜通し騒いだ客が通学中の児童に声をかける」「土日朝はごみが散乱している」などの苦情が寄せられている。

 市が拡充するのは商店街向けの補助金で、安全のための対策を支援する。警備員人件費の補助率は対象経費の半分とし、上限は200万円。市中心部以外の市内商店街も対象に含む。

 防犯カメラについては、補助を手厚くする重点地区として泉町、JR宇都宮駅東地区、オリオン通りの3地区を指定。5分の1としていた補助率を重点地区は4分の3に、その他の地区は3分の2に拡充し、200万円の上限額は撤廃する。早急に安全対策を強化する必要があるため、本年度から3年間は補助率を10分の9まで引き上げる。

 15日は地元商店街や宇都宮商工会議所、市、県警などで構成するオリオン通り治安維持対策会議を初めて開催。治安悪化の現状を共有したほか、合同パトロールを行うことを確認した。オリオン通り曲師町商業協同組合の長谷川正(はせがわまさ)理事長は「関係団体と連携し、安全に安心して買い物、飲食できる商店街にしたい」と話した。

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