【マイルCS】“GIレベル”オルフェ産駒ソーヴァリアント 兄を凌ぐ屈強な男へ

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第40回マイルCS(11月19日/GI、京都芝1600m)は、「連覇を果たして正真正銘のマイル王を目指すセリフォス」VS「NHKマイルC以来のGI勝利を狙う古豪シュネルマイスター」の構図となっている今年のマイルCSだが、虎視眈々とタイトル奪取を狙うのがソーヴァリアントだ。

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■馬券内率42%の手堅いきょうだい

ソーヴァリアントの母はJRA4勝、桜花賞3着馬のソーマジック。半姉に愛知杯勝ちのマジックキャッスル、2つ下の半妹にOP馬ソーダズリングなど活躍馬の多い良血生まれ。自身を含むきょうだい全体で馬券内率42.1%をマークする優秀な血統だ。父ステイゴールドのソーグリッタリングもJRA7勝を挙げ、エプソムCや関屋記念で好走。1番仔の兄は1勝のみで引退したが、ソーグリッタリングは7歳まで現役を貫き、ソーマジックの第2仔としてしっかり結果を残した。

そんなJRA7勝を挙げた兄だが、現役時はたびたび蹄の不安に悩まされており、晩年には長期離脱。エプソムCや関屋記念で2、3着はありながらもついに重賞タイトルを手にすることができなかった。

その後、第5仔のマジックキャッスルが秋華賞を2着すると、次走の愛知杯を勝利し、ソーマジック産駒として重賞初制覇。古馬になってヴィクトリアマイルでも3着に好走したが、その活躍も4歳夏まで。4歳秋以降はプッツリと糸が切れたかのように大きく負けることが増え、5歳夏に引退した。

■兄姉以上の屈強さ

重賞で結果を残しながらも、尻すぼみになりがちなきょうだいを持つソーヴァリアントだが、同馬もケガや不調を経験している。

3歳冬のチャレンジCではヒートオンビートに3馬身半差をつける快勝を収めると、その後骨折が判明。復帰戦のオールカマーでは心房細動を発症をするも、次走のチャレンジCで勝利と山あり谷あり。その後も2戦続けて勝負どころでの手ごたえが悪くなるなど精神面が整わず、完全復活はまだ先かと思われた。

しかし、今年の札幌記念では後方から冷静に進んで直線伸びて3着。前走の富士Sでも3着と、切れ味で1、2着馬に屈したものの、外追走から長くいい脚を使った。完全復調と明言して差し支えないだろう。

2021年、22年とチャレンジCで騎乗した際にルメール騎手は2年続けて「GIレベルに行ける」と太鼓判。前走騎乗した池添騎手は「切れるというより持続力があるタイプ」と評しており、傷んだ馬場も苦にしないパワーとスタミナも持ち合わせ、今の馬場状態にマッチする。

兄や姉が苦しんだケガも不調も全て乗り越えたソーヴァリアント。まだ秘めたる能力を持ち合わせているオルフェーヴル産駒となれば一発も十分。いざGI狩りへ、“とても勇敢”な走りに期待したい。

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(文●Asuka.F/SPREAD編集部)

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