さくら市傷害致死事件 検察が被告の女に懲役6年を求刑

 2019年、さくら市のアパートで、姉とその夫と共謀して高根沢町の当時24歳の女性を監禁し、暴行を加え死亡させ、遺体を宮城県白石市の山林に遺棄したとして、傷害致死などの罪に問われている女の裁判員裁判が15日に宇都宮地方裁判所で開かれました。検察は懲役6年を求刑し、弁護側は執行猶予付き判決を求め結審しました。

 傷害致死や死体遺棄などの罪に問われているのは、益子町・無職の高木沙耶花被告(25)です。

 起訴状などによりますと、高木被告は2019年に姉の海部春香受刑者とその夫、学被告と共謀して高根沢町の当時24歳の女性をさくら市内のアパートに監禁し、暴行を加え死亡させ、遺体を宮城県白石市の山林へ遺棄したとしています。

 裁判では、高木被告が姉とその夫と共謀したかどうかによって傷害致死の罪が問われるかが争点になっています。

 15日の裁判で、検察側は高木被告が少なくとも2019年10月下旬から暴行に加わり、女性が亡くなったのは一連の暴行の結果と指摘しました。また「多くの傷害致死事件と比べて残虐で長期に及んでいる」などと述べ、自首などを考慮し「懲役6年」を求刑しました。

 一方、弁護側は姉夫婦とは明確な上下関係があり、高木被告は学被告の指示があったときだけ暴行をしていたとして「傷害致死」には当たらないと主張しました。また、知的障害がある高木被告に必要なのは刑罰ではなく「福祉」だと述べ、執行猶予付きの判決を求めました。

 最終陳述で、高木被告は女性に対して「謝りたい」と話しました。

 意見陳述では、女性の母親に代わって弁護士が手紙を読み上げ「被告人が反省しているように見えなかった」「これからの生き方を考え、娘に謝ってほしい」「できるだけ長く刑に服してほしい」などと述べました。

 判決は11月24日に言い渡されます。

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