『ゴジラ-1.0』山崎貴監督 念願叶ったら「喪失感?」

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TOKAI RADIO『C.A.M.P.BASKET』(日17:00~19:00 DJ小島一宏)11月12日の放送に、上映中の映画『ゴジラ-1.0』の監督 脚本 VFXの山崎貴がゲスト出演した。山崎と聞き手の小島とは20年来の付き合いで、気心の知れた間柄。新作『ゴジラ-1.0』について話が弾んだ。

物語の着想はどこから?

「ゴジラに、昭和に行ってもらいたくて、それも、戦争のちょっと後にしたかった。戦後の何もないところにゴジラが現れたら、人間が知恵と工夫で頑張るしかない。それはおもしろいなと思って決めた」

あの戦争を引きずる人たちとゴジラを絡めたかった?

「その時代でやるんだったら、やっぱり負け犬(Loser)で始めたかった。戦争で活躍できなかったというか、逃げちゃった人がいいだろうと」

キャスティングは山崎組オールキャストといってもいいぐらいだが

「もちろん、シナリオを書いたときに、キャラクターを設定していく。誰にやってもらおうかというときに、ゴジラと対峙する人は、今まで仕事をしたことがある人で、よくわかっている人を入れたいなというのはあった。そうじゃないと計算が立たないんで。でも、初めての人もいるし、あのときのあの人をここに入れるとおもしろいねということで作っていった」

主役夫婦は「朝ドラコンビ」と同じだが

「(神木隆之介と浜辺美波の起用は)偶然です。僕らのほうが(NHK朝ドラより)先です。全然知らなくて、ある日「朝ドラ決まったんですよ」こっちも「朝ドラ決まったんですよ」「まさか夫婦役じゃないよね?」「夫婦です」といった感じで。映画が撮影に入った頃だった」

「しかたないですよ。止めるわけにもいかないし。『らんまん』ロスが出るぐらいいいドラマにしてねと、結構プレッシャーはかけた。『らんまん』からお客さんをこっちに引っ張ってきてと。ドラマはおもしろかったし、ガッツリ見ていた。最終回なんか正座して見ていた」

神木と浜辺はどんなよさを買っての起用?

「神木君は上手ですよね。あと、昭和顔だと僕は思っている。昭和っぽい顔立ちをしている。いろんな感情を出していかないといけないので、それを的確に表現できる人がいいなあと思った。(浜辺は)目力の方向が往年の東宝大女優みたいな。あの(昭和の)世界に入ってピタッとハマる」

VFXのクオリティの高さに打ちのめされた

「ゴジラが『近い』ということがすごく怖いこと。これもデジタルだからできること。着ぐるみだと、寄れば寄るほど粗が見えてきてしまう。デジタルでいいよねと思うことをどれだけ入れ込めるかは大事なことじゃないかな。シチュエーションも近くに寄れるように設定した」

ゴジラはなぜこんなに長く愛され続けているのか?

「何だろう。子供はみんなゴジラが好き。出てきたときにワクワクする。それが大人になっても、僕らみたいに、忘れられない。長いこと楽しめるコンテンツ。世代を超えて楽しめるコンテンツなのでは。特に、時々出てくる怖いゴジラは大人が見る感じ」

「戦争がゴジラという形をしてやってきた。歩いてくる核兵器というイメージ。それは、戦争の正体を知りたいように、怖いものの正体を知りたいという気持ちで、ずっと、みんな見ているんじゃないかな」

山﨑は、実は、ゴジラを「子供の頃から追いかけてきて、いつか(ゴジラ映画を)撮りたいと思っていた」という。そして、念願が叶ってみたら、祭りの後のような「すごい喪失感」があったとのこと。そして「今回の作品は完結はしているが、いい物語が浮かべば、また撮ってみたい」と意欲を見せ、それを「やりかねない」という言葉で表現した。

山崎と小島との話は、尽きることがなく「続きは来月12月」の番組内で放送することが決まっている。

C.A.M.P. BASKET

放送局:TOKAI RADIO

放送日時:毎週日曜 17時00分~19時00分

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※放送情報は変更となる場合があります。

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