アイナ・ジ・エンド「THE FIRST TAKE」裏話 BiSHでは使わなかった有線マイクで歌った理由

アイナ・ジ・エンドがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「SCHOOL OF LOCK! アイナLOCKS!」。11月14日(火)の放送では、YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」で披露した「キリエ・憐れみの讃歌」の動画を見ながらセルフ解説をおこないました。そのコメントを抜粋して紹介します。

「キリエ・憐れみの讃歌」は、主演映画『キリエのうた』の主題歌です。アイナは劇中で、役名のKyrieとして歌っています。

アイナ:今週は、「キリエ・憐れみの讃歌 - From THE FIRST TAKE」の映像を見ながら、アイナ先生が歌っているときに感じたことだったり、「ここはこうやって踊ってみたんだよ!」なんていう秘蔵話、解説をしていこうかなと思います。これぞ“オーディオコメンタリー”ですね!

実は、このTHE FIRST TAKEでは、普段の「キリエ・憐れみの讃歌」のキーよりも少し下げて歌っております。気づいた人いるかな?

もちろんキーが上がれば上がるほど明るみに近づくし、すごく開けた歌にはなるんだけど、このTHE FIRST TAKEでは、少しこもった歌を届けようと思いました。こもった気持ちになった人が映画館に行って、映画館で心を開いてもらえたらいいなと思いました。だから、キーを下げてみたんです。(楽曲を制作した)小林武史さんも、理解してくださいましたね。

じゃあ、スタートするよ! 一緒に再生ボタン押せるかな?

――動画再生スタート

アイナ:最初は、座って歌ってるんですよね。地面に近い暗がりで歌ってみようかな、と思ってね。『キリエのうた』の映画を観てくださった人はわかると思うんですけど、ずっと路上で歌ってるんで、そことリンクさせてみたかったんです。

そうそう、ストリングス! ストリングスの方々も今回はいてくれて、なんと生演奏です。さらに小林武史さんのピアノ、名越由貴夫さんのギター、すごいです。

――2分00秒あたり……

アイナ:1番が終わって揺れております。立てるかな? っていう。アイナ・ジ・エンド……立てるかな? 立―てーたー! 今、2分11秒あたり。立てたー! っていうところです。どうぞ2番!

『いつか 朽ち果てていく わかってる 木の葉のように頼りなく 風に舞ってる 』……ここ好き! これね、『キリエのうた』の劇中歌では、歌ってたら本当に木の葉が舞ったんですよ! (監督の)岩井さんの魔法です。

――2分50秒あたり……

アイナ:『阿弥陀くじのようでも』っていう歌詞で、マイクの有線を体に巻き付けています。私はこれを、“阿弥陀くじ”と表現しております(笑)。

実は、あんまり有線マイクで歌ったことがないんですよね。椎名林檎さんのカバーで「罪と罰」を歌わせていただいたときに、有線を使ったことはあるんですけど。BiSHも踊るんで、8年間ワイヤレスマイクでした。有線はほんとにないんですよ。

でも、「THE FIRST TAKEでは絶対に有線がいい!」って、エイベックスの人にお願いしました。理由はこれです! “阿弥陀くじ”をやりたかったから(笑)。

でも有線を使い慣れてなかったんで、もっと柔らかいと思ってたら意外に硬くてビックリしました。全然まとわりつかないっていうサプライズが待ってましたね……(笑)。でもそれが逆に良くて! その硬さが“命”みたいだったんだよね。言うこと聞かないんだよ! 動き出すの、勝手にピョン! とかなって。

こんなふうに、この線を通って声を届けてるわけじゃない? 人さまに。この線がないと、声は届かないんだよ。ああ、やっぱりそれは命が宿ってるわな、って思うぐらいの硬さで……そういうのを感じながらやってましたね。

阿弥陀くじのようにグチャグチャでも、『それすらも 受け入れて』っていう歌詞なんで。このグチャグチャなコードに絡まっても、受け入れていこうって思ってやってます。

――3分53秒あたり……

アイナ:Kyrieさんが、床に這ってるところですが……あのね、THE FIRST TAKEで寝た人いないんだって! 座って歌うのも珍しいかもしれないんですけど。

Kyrieはやっぱり路上ミュージシャンです。地面の暗がりでずっと歌ってて、お客さんが増えていけばいくほど、自分が「生きてていいんだ!」、「歌を歌っていけば、自分は生きていけるんだ!」、「自分は歌しかないんだ!」って気づかされていきます。そして、ステージに上がれます……!

Kyrieは、路上で人に拾ってもらってました。人に愛されてました。だから、路上に行きたいなって、地面に近いところで歌いたいなって。そしたらもう、床に近づいていく自分がいましたね。そういう思いでした。こうやって説明すると恥ずかしいんですけど、精一杯やっております!

――4分39秒あたり……

アイナ:『だけど あなたがここにいるから』と言って、カメラを向いてますね。そう、ここの歌詞が私はすごく好きなんです。『希望とかは見当たらない だけど あなたがここにいるから』というこの2行。これを小林武史さんが書くから説得力があるんだって、私は感じました。自分が、アイナ・ジ・エンドがこの歌詞を書いても、なんかね、まだ早いと思った。この歌の中で、この2行をどうやって表現するかを1番考えて毎回歌っています。

今回は、『希望とか見当たらない』って、すごい塞ぎ込んだ歌い方をしてますね。これは完全にアドリブだったんだけど、『あなたがここにいるから』では目を見て歌いたくて、カメラを向いています。普段はこういうの恥ずかしかったりするんですけど、恥ずかしげもなく見れたのは、歌詞がそれぐらいのパワーを持ってるからです。本当に、小林武史さんの歌を歌えていいな、嬉しいなって……詰まってます!

こうやって生々しい歌を小林さんと名越さんとストリングスの方々と一発勝負でやらせていただけたこと、本当に感謝しております! アイナ・ジ・エンド、また強くなりましたよ! ありがとうございました。

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11月14日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)聴取期限 2023年11月22日(水)AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
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<番組概要>
番組名:SCHOOL OF LOCK!
パーソナリティ:こもり校長(小森隼・GENERATIONS from EXILE TRIBE)、COCO教頭(CRAZY COCO)
放送日時:月曜~木曜 22:00~23:55/金曜 22:00~22:55
※「アイナLOCKS!」は毎週火曜に放送
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/lock/

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