新酒の仕込みが本格化 蔵人が手仕事、早朝から麹づくり 銘酒「秀月」 丹波篠山

早朝から新酒の仕込み作業に精を出す蔵人たち=丹波篠山市波賀野、狩場一酒造

 兵庫県の丹波地域で新酒の仕込み作業が本格化している。銘酒「秀月」で知られる丹波篠山市波賀野の狩場一酒造では、早朝から蔵人が麴づくりなどにいそしんでいる。

 同社では「純米生」など約20種類を生産。本年度は10月下旬から来年2月にかけて一升瓶計約3万本分の新酒を造る。

 作業は午前7時前から始まり、「ムロ」と呼ばれる部屋では麴づくりが行われる。蒸した酒米を広げ、適温に下げて種麴を散布。蔵人は空気を動かさないように数分静止した後、酒米をかき混ぜて、麴菌を行き渡らせた。

 醸造主任の前原尚人さん(37)によると、仕込みの期間中は夜中も定期的に、温度や湿度を管理・調整するという。狩場一龍社長(62)は「たくさんの日本酒ファンに喜んでもらえるよう、例年以上の新酒を目指して丁寧な仕事を重ねていきたい」と話した。 (秋山亮太)

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