古き良き珈琲店めぐりが好きだった店主が営む、天拝山の麓にある緑豊かな自家焙煎珈琲店「萌香」【福岡県筑紫野市】

いつの時代でも「カフェ」という存在は人々をトリコにします。近年のSNS人気も相まって、おしゃれなカフェ巡りを楽しむ女性も多い中、にわかに脚光を浴びているのが「昭和レトロな喫茶店」。中年以上の方はノスタルジックを感じ、若者にとってはおしゃれなカフェにないレトロ感が斬新だと感じるんだそうです。そこで福岡に今なお現存する「昭和レトロ喫茶店」をピックアップしてご紹介していきたいと思います!

九州自動車道「筑紫野IC」そばの山裾にひっそり佇む「萌香」

今回ご紹介する「萌香」の場所は、福岡県筑紫野市。九州自動車道「筑紫野IC」からほど近い場所にある和風の大きな建物が目印です。

近くに公共交通機関が通っていないので車でのアクセスがおすすめです。

駐車場に車を停めてお店へと進むと、緑に囲まれた風情のある石畳の小道が現れます。

傍の石がめの中には金魚も泳いでいますよ。

こちらがお店の入り口。まわりの野山の緑と、白壁と石造りの和風な建物とのコントラストが素敵すぎます。

大きな窓から見える野山の景色と、レトロな「和」の雰囲気が調和した店内空間

木をふんだんに利用したあたたかみのある和風の店内は、どこかノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。

全ての席から隣接する野山の景色を眺めることができるのもポイントです。

奥には畳敷きの小上がり席も完備。

ベビーチェアもあるので、ご年配の方や小さなお子さま連れの方はこちらの席へどうぞ。

天井は板のない吹き抜け構造になっており、縦横に走る太い梁とそれらを支える大小の木材が随所に見受けられます。

ちなみにメインの梁以外は近隣の山から切り出したスギやヒノキなどの木材を利用しているんだとか。

カウンター席の裏のカップボードには様々な種類のカップが並びます。店内を照らすアンティーク風のライトがレトロな雰囲気を醸し出していました。

時折野鳥がやってくる自然あふれるロケーション

お店のすぐ横には小川が流れており、店内からは窓の向こうに流れる川を眺めながらゆったりとしたひとときを楽しめます。

さらに、メジロやルリビタキといった野鳥が顔を出してくれることもしばしば。

カウンターには店主が撮影した野鳥の写真集が置いてありますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

若き頃から古き良き珈琲店に魅了され、喫茶店の開業を決意

こちらが店主の帆足拓哉さん。物静かで柔らかな人柄とは対照的に、実践派格闘技の試合に出場したり、中型バイクでのツーリングにいそしむなど実はワイルドな趣味をお持ちなのです!

萌香の店主を務める帆足拓哉さんは地元・筑紫野市のご出身。

春日高校から西南学院大学を経て、将来は整骨院を開業すべく柔道整復師を育成する学校に通っておられましたが、大病を患ったことでその夢を断念することに。

今後何をしようかと考えた時、以前から古き良き珈琲店をめぐるのが大好きで、「珈琲美美」や「香号(閉店)」といったネルドリップ抽出の珈琲店に魅了され、足繁く通っていたことを思い出し、喫茶店の開業を決意。

ご実家の敷地内のかつて畑だった場所に建物を建て、2003年12月、若干25歳で萌香をオープンされました。それから今年でちょうど20周年を迎えられます。

自家焙煎珈琲へのシフト

導入から17年間稼働するドイツ製の焙煎機「プロバット」は今なお現役!

開業から3年間は大手メーカーのコーヒー豆を使用していましたが、より鮮度の高い豆を使ってお客様に美味しいコーヒーを提供したいという思いから、自家焙煎にシフトすることに。

店舗の隣に焙煎室を設け、福岡ではまだ珍しいドイツ製の半熱風式焙煎機「プロバット」を導入されました。

プロバットの導入当初は不慣れで思うような焙煎が出来なかったそうですが、日々修練を重ねるごとに技術が向上し、安定した味をキープできるようになられたそう。

現在の焙煎作業は週に3〜4回、主にお店の営業前に行っており、1回で5〜6種類の豆を焼いているんだそうです。

焙煎したコーヒー豆は店内で購入できます。常時10種類前後がラインナップされ、お値段は100グラム600円から。

なお、萌香で使用する水は地下から湧き出る天然水を利用しており、コーヒー豆を100グラム購入するごとに10リットルの天然水がもらえるといううれしいサービスもありますよ!

ゆるやかに流れる空間で、おいしいコーヒーを楽しむひととき

コーヒーはペーパードリップ方式を採用。オーダーすると帆足さんが一杯一杯丁寧にドリップして下さいます。

ケーキセットは税込1,000円。数種類のコーヒーや紅茶の中からお好きな飲み物とケーキをセレクトできます。

今回は一番人気のコーヒー「マイルドブレンド」と「マロンケーキ」をチョイスしてみました。

ちなみに木製の重厚なトレイは、敷地の山から切り出したスギの木を切り出して作ったものなんだそうです。

マイルドブレンドはその名の通り、軽い口当たりのすっきりとした味わいのコーヒー。

野山を眺めながら飲むコーヒーは、味もまた格別なのです!

秋の代名詞とも言えるマロンケーキは、ふわふわのスポンジ生地にマロンクリームがふんだんに盛り込まれ、栗の風味を存分に楽しめます。コーヒーとの相性もぴったりでした。

萌香は知る人ぞ知る、隠れた紅葉スポット!

そして特筆すべきは、萌香は知る人ぞ知る、隠れた紅葉スポットだということ。

毎年11月後半になると敷地内の木々が色づき、ご覧のような見事な紅葉を楽しむことができるんです。

テラス席も完備されているので、紅葉を眺めながら極上のカフェタイムが過ごせますよ。

和風の印象が強いこともあり、長年お客様のボリュームゾーンは団塊世代の年配層や主婦層でしたが、ここ数年はSNSの影響もあり若い女性やカップルの来店もかなり増えており、今や世代を超え老若男女に利用されているようです。

レトロ喫茶店のようなノスタルジックさも感じられる「萌香」で、野山の自然に囲まれた癒しのひとときを楽しんでみて下さいね!

自家焙煎珈琲 萌香

住所:福岡県筑紫野市古賀906-1

営業時間:11:00〜18:00

電話番号:092-29-3351

定休日:火曜日・第一月曜日

公式サイト:https://www.coffeemocha.biz/

Instagram:@coffeemocha2003https://www.instagram.com/coffeemocha2003/)

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