【東スポ杯2歳S/全頭診断】「ソールオリエンス級」の怪物候補 来年のクラシック見据える出世レース

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今週は東京競馬場で、第28回東スポ杯2歳S(GII、芝1800m)が行われる。過去10年の勝ち馬にはコントレイル、イクイノックスの名前が。来年のクラシック戦線を占ううえでも重要な一戦だ。

ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬10頭の全頭診断を行う。

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■東スポ杯2歳ステークス2023 出走予定馬全頭診断

・ガイアメンテ

新馬戦、2戦目と伸び上がるようなスタート。まだ若さをのぞかせる近走内容から、今回は様子見が妥当か。

・サークルオブジョイ

過去10年の東スポ杯2歳Sにおいて、前走芝1800m勝ち馬が馬券内に入れなかった年はゼロ。前走上がり3Fも34秒1と水準レベルにあり、人気の盲点だが3着候補の1頭としてケアしたい。

・シャンパンマーク

出走馬中、前走東京芝で勝利を収めた唯一の馬。4角4番手から上がり3F33秒1の脚と非凡な瞬発力を披露しており、ここも軽くは扱えない。

・シュトラウス

ボンドガールとこの馬の2強対決の様相を呈していた前走サウジアラビアRC。着順は3着、単勝36倍の4着馬と0秒1差だった。未知の距離への対応も含め、大きく評価を上げるには至らない。

・シュバルツクーゲル

キズナ産駒の2歳馬は秋の東京芝1800mで【0.4.8.10】馬券内率54.5%。勝利こそないものの、馬券内率50%超えは立派だ。同産駒にあたるこの馬もヒモ穴候補として警戒したい。

・ショウナンラプンタ

シュバルツクーゲルと同じキズナ産駒。前走2着に負かした馬は次走楽勝とレースレベルの一定のものがあり、何らかの印は必要か。

・テリオスルル

牝馬限定戦の前走は3着。当時より骨っぽいメンバーが揃ったここでの連続好走は至難の業か。

・ファーヴェント

単勝1.3倍の圧倒的人気に支持された前走。終わってみれば4角3番手から上がり3F最速と、まったく隙のないレース運びだった。新潟芝1800mから臨むローテーションは2021年の勝ち馬イクイノックスと同じ。現時点で比べるのは酷だが、あっさり勝っても不思議ではない。

・フォルラニーニ

この馬の前走には驚かされた。番手追走からの上がり3F最速勝利はまだ許容範囲だが、ラスト3Fが12秒0-11秒6-11秒1の加速ラップ……なかでも11秒6-11秒1の間に繰り出した0秒5の加速は、前が止まって見えたソールオリエンスの皐月賞と同じ上がり幅だ。C.ルメール×サンデーレーシングの組み合わせはエリザベス女王杯を制したブレイディヴェーグと同じ。好勝負必至。

・ミカエルパシャ

セレクトセール高額馬のラケダイモーンが注目を集めていた前走。逃げる競馬で上がり3F最速を繰り出し同馬を完封したのがこの馬だ。タフな馬場コンディションの恩恵はあったのかもしれないが、急坂左回りで示したパフォーマンスは本物。ノーマークにはできない。

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UMAJIN.netより一部編集・転載(2023年11月16日 18:00公開の記事

著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。

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