【マイルCS/全頭診断】想定3人気以下に「4.0.1.1」 “馬券内率83%”該当の軸候補

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今週は京都競馬場で、第40回マイルCS(GI、芝1600m)が行われる。阪神開催の近3年から久々の京都開催で迎える今年。クセのある京都芝外回りへの対応力も問われる一戦となりそうだ。

ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬16頭の全頭診断を行う。

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■マイルチャンピオンシップ2023 出走予定馬全頭診断

・イルーシヴパンサー

GI・GIIでは【0.0.0.6】と厚い壁に跳ね返されている現状。厳しい。

・エエヤン

メンバーレベルがグンと上がった近2走は掲示板外。得意の中山替わりを待ちたいところだ。

・エルトンバローズ

未勝利から破竹の4連勝でGI挑戦。前走毎日王冠はマイルGI勝ち馬2頭を下したのだから立派だ。西村淳也騎手騎乗時は【4.0.0.0】と負けがなく、右回りは【3.3.0.0】、鞍上は2023年の京都芝外回り1600mで【0.3.2.2】馬券内率71.4%。データ面でのプラス材料が多い馬で、絶好の動きに見えた調教も含めて連勝を伸ばす可能性は十分だ。

・ジャスティンカフェ

キャリアを重ねてもテンにいけない脚質は相変わらず。同型の差し追込馬に強豪がひしめく今回、強調材料は乏しい。

・シュネルマイスター

昨年秋は不振にあえいでいたものの、3走前のマイラーズCを機に復活。その後は3着が続いているが、前走毎日王冠は直線半ばまでまともに追い出せなかった影響が大きかった印象だ。京都開催の2010年から19年にかけて、京都芝外回り1600mの連対歴があった馬は10年すべてで馬券内。国内の直線平坦コースでは【2.0.0.0】と負けがなく、前進が見込める1頭だ。

・セリフォス

昨年のこのレース勝ち馬。国内のマイル戦では5着以下がなく、この路線におけるTOP3に入ることは間違いなさそうだ。リバティアイランドを休み明けで何度も勝たせた厩舎だけに休み明けも問題ないと思われるが、3歳以上のダイワメジャー産駒は京都芝外回り1600m重賞で【0.3.1.30】。何かに足元をすくわれる可能性は想定すべきだろう。

・セルバーグ

マイルでの勝ち時計は1分32秒台後半以上に限定。1分31秒台での連対歴を持つ馬が複数出走するここでは厳しい印象だ。

・ソウルラッシュ

前走京成杯AHで重賞2勝目をマーク。当時は斤量59キロと厳しい条件だったものの、重賞戦線では鳴りを潜めていた先行力が蘇ったのは収穫と言えよう。右回りの芝1600mでは【4.0.1.1】馬券内率83%。マイルにおける中2カ月以上の休み明け成績【3.1.1.0】も強調材料となりそうだ。

・ソーヴァリアント

5歳にして初のマイル戦だった前走富士S。結果は3着と、未経験の距離を思えばまずまずと言える内容だった。ハイペースの前走は後方寄りでレースを進めたが、全5勝が4角3番手以内の先行力が最大の武器。ロスなく立ち回れる枠を引き当てた際の3着候補として警戒したい。

・ダノンザキッド

目下2年連続で当レース馬券内の馬。リピーター属性が強いレースゆえ今年も注目したいところだが、近2年とは異なり今回は約5カ月ぶりの実戦となる。叩き2戦目の成績【1.0.3.1】が示すとおりの叩き良化型。ローテーションに狂いが生じた点は割引材料だ。

・ダノンスコーピオン

今年使われた3戦はすべてフタ桁着順。一変を望むには酷に映る。

・ナミュール

前走富士Sは牡馬相手に見事な勝利。1分31秒4の走破時計も優秀で、2歳時からGI級と目された実力が完全に開花したのかもしれない。京都開催の2010年から19年にかけて、前走東京芝1600mを4角3番手以下から勝利した馬は【2.1.1.1】。叩き2戦目ローテ時の成績【0.0.0.4】は不安材料も、軽くは扱えない。

・バスラットレオン

国内の芝レースにおける馬券内は3歳春のニュージーランドTが最後。ダート中心のローテーションを歩んできた馬でもあり、変わり身は望み薄か。

・ビーアストニッシド

前走はリステッド競走でフタ桁着順。厳しい。

・マテンロウオリオン

徐々に復調気配はうかがえるものの、今回は近走で先着を許した馬が多く出走するメンバー構成。GIIIに替わった際に見直したい。

・レッドモンレーヴ

休み明けの前走富士Sは上がり3F最速の脚で2着。1000m通過56秒7の展開が向いたとはいえ、斤量58キロでの好走は評価すべきだろう。京都芝外回り1600mで8勝を挙げているロードカナロア産駒だが、そのうち7勝が母父サンデーサイレンス系。血統背景も含め、何らかの印は必要か。

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UMAJIN.netより一部編集・転載(2023年11月16日 18:01公開の記事

著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。

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