阪急電鉄が批判の的に 宝塚歌劇団員急死問題、SNSの論調が遺族側会見で一変

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 宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)宙(そら)組に所属する俳優の女性=当時(25)=が急死した問題で、当初の交流サイト(SNS)はジェンヌを気遣うコメントが目立っていたが、遺族側会見をきっかけに、歌劇団を運営する阪急電鉄や、阪急阪神ホールディングス(HD)の姿勢を問う声が上がり始めた。

 9月末に俳優の死亡が分かり、歌劇団は公演の一部を中止。X(旧ツイッター)では「心身を整えるプロを入れて、最大限のケアをしてほしい」「ジェンヌさんが心配」といった反応が見られた。

 ところが、11月10日に東京で遺族代理人が会見をしたことで論調は一変。長時間労働による心理的負担や、上級生の暴言が指摘され、過重労働問題として受け止められるようになった。

 ファンから「若い女性を過重労働させて搾取してきた」「ご遺族のほうから次のフェーズに進まざるを得なかったことを劇団と経営母体はどう考えているのだろう」「組織としてあり得ない」などと複雑な心境が語られるようになった。

 歌劇団が調査報告を公表した14日には、Xで「宝塚の会見」「宝塚歌劇団」がトレンド入りし、ファン以外からも大きな注目を集めた。特に、いじめやハラスメントについて歌劇団が「確認できなかった」と説明したことに非難が集中。芸能界という枠を超えて、働き方、人権といった言葉が相次ぎ、「HDのイメージを左右する」「一般企業なんだから不祥事に対して株主は厳しいよ」と企業姿勢を問う投稿が続いている。

 この問題を受け、阪急電鉄は「歌劇団と協力し、一丸となって改善を図ってまいりたい」としている。 (津田和納)

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