IPEF、2分野で妥結 脱炭素や脱税防止、貿易先送り

 【サンフランシスコ共同】新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」交渉に参加する日米など14カ国は16日、主要4分野のうち、新興国の脱炭素化や税逃れ防止に関する2分野で実質妥結したとする声明を発表した。交渉入り後、初のまとまった成果を打ち出した。既に合意していた供給網を含め、3分野で決着したことになる。ただ、柱の一つである「貿易」の妥結を先送りしたことで、対中国を念頭にした協力枠組みは不完全なまま走り出すことになる。

 声明は、13~14日に米サンフランシスコで開いた閣僚会合で進展を確認した内容に絞った。サンフランシスコで16日にバイデン米大統領や岸田文雄首相らIPEF首脳が一堂に会する会合を開き、妥結を確認する。当初は16日の首脳会合で正式に妥結を決めるとされていたが、IPEFを主導する米国の意向で前倒しした。

 声明は、さらなる協力策や新規参加国の可能性を協議するため「IPEF評議会」などを新設すると明記。米政府によると、来年以降も閣僚会合を少なくとも毎年1回は開く。

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