農業関連団体の使途不明金 茨城・牛久市が次長を懲戒免 横領容疑で刑事告訴方針 別の団体でも新たに200万円不明

牛久市役所=同市中央3丁目

茨城県牛久市が事務局を務める農業系4団体で発覚した使途不明金問題で、市は16日、公金を横領したとして、市経済部次長で商工観光課長の男性(53)を懲戒免職処分にしたと発表した。処分は14日付。その後の調査で別の2団体でも新たな使途不明金約200万円が発覚し、不明金の総額は966万円に上った。市は業務上横領容疑で元次長を告訴する方針で、民事訴訟も検討する。

市によると、新たに見つかった不明金は、同課所管の「市観光協会」で約95万円、「うしくかっぱ祭り実行委員会」で約32万円。他にも同祭り関連経費や市商工会の協賛金など約70万円の使い道も分かっていない。

元次長は農業政策課長を務めていた2016年5月から19年7月、部下に命じて同課所管の「市地域担い手育成総合支援協議会」など4団体の口座から引き出した769万円を使ったものの、市側が納得できる十分な説明がないという。

市の調査に対し、元次長は私的流用を否定。課内の消耗品や農機具購入費などに充てたと説明。全額返済する意思を示している。

沼田和利市長は「市民や関係者に心からおわび申し上げる」と謝罪した。

© 株式会社茨城新聞社