「よれてる感じが本物みたいで…」 支払いに偽1万円札を使われたタクシー会社、当時の状況を振り返る

使用された偽1万円札(タクシー会社提供)

 1万円札を偽造し、使用した疑いで鹿児島県薩摩川内市の男2人が県警に逮捕された事件で、代金として渡された同市のタクシー会社が16日、取材に応じた。所長は「偽札はコピー用紙を2枚重ねてあるようだった」と話した。

 逮捕されたのはいずれも同市宮崎町の会社員の男(52)=偽造通貨行使容疑=と飲食業の男(64)=通貨偽造容疑。

 同社によると、10月21日午前0時10分ごろ、同市向田町で会社員の男が男性と2人でタクシーに乗り、自宅前で降車時に約2500円の代金を偽1万円で支払った。男性運転手は会社事務所に帰った午前4時ごろ、売上金を確認する際に感触や光の通し方で異変に気づいた。

 所長は「サイズは1回り小さく、絵柄もやや濃く見えた。コピー用紙を重ねたようだったが、よれている感じは本物のようだった」と話した。運転手は「お札を出す時に指で確認するようなしぐさがあったが、疑問に思わなかった」と説明したという。

 県警捜査2課と薩摩川内署によると、16日現在、県内で他に偽札被害は確認されていない。

【本物と並べて比べると…】使用された偽1万円札(上)と本物の1万円札(下)(タクシー会社提供)

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