日中首脳、17日にも会談 処理水対立緩和目指す

岸田文雄首相、中国の習近平国家主席

 【サンフランシスコ共同】日中両政府は、岸田文雄首相と習近平国家主席が米西部サンフランシスコで16日(日本時間17日)にも会談する方向で調整を続けた。中国は東京電力福島第1原発の処理水海洋放出に反発しており、日本は対話を通じた対立緩和を目指す。首相は15日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が開かれる同地に政府専用機で到着した。

 首相は日中関係を巡り「主張すべきは主張する」との立場を堅持する。会談が実現すれば、処理水放出に関し透明性を持って国際社会に説明していると強調。中国による日本産水産物の輸入規制を撤廃するよう直接働きかけるとみられる。

 中国は処理水を「核汚染水」と呼んで非難しており、習氏がどのような態度を示すかが注目される。会談では、中国で相次ぐ邦人拘束や、沖縄県・尖閣諸島周辺における中国船の領海侵入、台湾情勢なども議題となる可能性がある。

 首相は16日、韓国の尹錫悦大統領とも会談予定。今年7回目で、改善基調にある両国関係の進展を確認する。

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