岸田文雄首相は米国時間の15日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議に出席するために訪問中の米サンフランシスコでタイのセーター首相と会談した。タイ政府の発表によると、セーター氏はタイの自動車産業発展を支えた日本メーカーの支援などを表明した。
セーター氏は、タイは経済回復を重視しており、景気浮揚に向けて日本と連携を強めたいと述べた。タイで操業する日本の内燃機関(ICE)関連企業を保護すると同時に、電動化、電気自動車(EV)への移行を加速できるよう支援していく方針を示した。岸田氏は、ビジネスのためのビザ(査証)免除など、日本からの投資に対する支援を要望した。
セーター氏は、日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国などによる脱炭素の連携枠組み「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」への支持を表明し、12月に東京で開催される「日ASEAN特別首脳会議」に出席することを伝えた。
このほかセーター氏は、タイがデジタル、イノベーション、グリーン経済などの分野で「新たなレベル」の自由貿易協定(FTA)交渉に積極的であり、南部のランドブリッジ構想といった巨大事業を進める予定だと説明。日本にも参画してほしいと呼びかけた。