ビートルズの「最後の新曲」とされる「ナウ・アンド・ゼン」が発表され、10日付の全英シングルチャートで54年ぶりに1位となった。ジョン・レノンさん(1980年死去)が70年代に録音したデモ音源を基にポール・マッカートニーさん(81)が仕上げ、20世紀を代表するバンドの歴史に新たな一ページを加えた。
ピアノとアコースティックギターのイントロに続き、ジョンさんの声が寂しげに響く。そこに90年代に録音されたジョージ・ハリスンさん(2001年死去)のギター、新たに録音されたマッカートニーさんのベースやギター、リンゴ・スターさん(83)のドラムが重なる。マッカートニーさんは「僕たち全員が参加した本物のザ・ビートルズのレコーディングだ」とコメントを発表した。
マッカートニーさんらは1990年代にこのデモ音源から曲を仕上げるつもりだった。だが当時はレノンさんの声だけをきれいに取り出して使うことが難しかったという。それを可能にしたのは機械学習によって音を分離する最新技術だった。